横琴、広東省、マカオ緊密連携エリアの建設全体計画【ニューズレター Vol.88】
本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として、青葉グループの広東省広州市天河区に拠点を構える弁護士事務所より作成しております。
【背景】
2009年中国による珠海市横琴新区(以下「横琴」)の開発が決定して以来、2021年9月5日に中国共産党中央委員会と国務院は『横琴、広東省、マカオ緊密連携エリアの建設全体計画』(以下、「全体計画」と略称)を発表し、横琴、広東省、マカオ緊密連携エリア(以下、「連携エリア」と略称)の発展を支援することを明確に提出し、また、連携エリアの開発目標と4つの戦略的位置づけを提出した。
【影響】
『全体計画』の発表は、広東省、香港、マカオの協力関係を強化することに対して重要な意義があり、確実に広東省、香港、マカオの大湾区(グレーターベイエリア)の建設を全面的に推進していくために、また香港、マカオの長期的な発展のために、新たな推進力を与え、新たな空間を提供し、新たな機会を生み出すこととなる。同時に、『全体計画』の提出は、マカオの経済が適度で多様的に発展していくことを促進することに役立ち、マカオ市民の生活と就労に利便性をもたらし、広東省、香港、マカオのグレーターベイエリアの建設を一層新たな段階に進めることを推進する。
【主要内容】
全体計画は6つの部分で29条の内容で構成されている。第1部分では、全体要求事項で、発展基礎、指導理念、連携エリアの範囲、戦略的位置づけ、及び開発目標のことが明確された。第2部分から第5部分では、マカオの経済適度多様化の新産業の発展と促進、マカオ市民の生活と就労に利便性をもたらす新ホームの建設、マカオと一体化した開放レベルの高い新システムの構築、広東省とマカオが共に協議・構築・管理・享受できる新システムの構築ということに焦点を当て、具体的、且つ現実性のある一連の措置が提出された。 第6部分では、横琴、広東省、マカオ緊密連携エリアの建設に関する保障の措置が明確にされた。
全体計画では、緊密連携エリアの実施範囲は横琴島の「第一線」と「第二線」の間の税関管制エリアで、総面積は約106平方キロメートルであることが明確にされた。その中で、横琴とマカオ特別行政区の間を「第一線」にし、横琴と中華人民共和国境内の間を「第二線」とする。
全体計画では、横琴、広東省、マカオ緊密連携エリアの戦略的位置付けは、マカオ経済の適度で多様な発展を促進する新舞台として、マカオ市民の生活と就労に利便性をもたらす新空間であり、「一国二制度」の実践を豊かにする新模範として、広東省、香港、マカオの大湾区(グレーターベイエリア)の建設を促進するグレードアップされたものとして明確にされた。
全体計画によると、2035年までに「一国二制度」の強い生命力と優位性が十分に発揮され、緊密連携エリアの経済力と技術競争力が大幅に強化され、公共サービスと社会保障制度が効率的に運営され、横琴とマカオとの一体化発展体制の仕組みがより充実し、マカオの適度で多様な経済発展を促進するという目標が基本的に達成されるとなる。
【法規リンク】
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