「都市維持建設税法」に関する留意点について
2020年8月11日、第13回人民代表大会常務委員会第21回会議で、『中華人民共和国都市維持建設税法』(「都市維持建設税法」と略称します)が可決されました。2021年9月1日より実施開始、現行の『中華人民共和国都市維持建設税暫定条例』(「暫定条例」と略称します)は廃止されました。ここで、「都市維持建設税法」に関してご留意頂きたいことについて説明させていただきます。
1.以下の状況には都市維持建設税などの付加税費が納付不要
都市維持建設税法実施前(Before) | 都市維持建設税法実施後(After) |
海外販売者が中国へ労務、サービス、無形資産の商品を販売した場合、中国の購入者は対価支払い際に、海外販売者の増値税、消費税(もしあれば)及びその都市維持建設税などの付加税費を源泉徴収する必要がある。 | 海外販売者が中国へ労務、サービス、無形資産の商品を販売した場合、その増値税、消費税(もしあれば)に基づく都市維持建設税などの付加税費を納付する必要がなくなる。 |
※備考:
『財務部 税務総局公告2021年第28号』は、「第28号公告」と略称します。
『国家税務総局公告2021年第26号』は、「第26号公告」と略称します。
2.教育費付加及び地方教育費付加の課税基準は都市維持建設税の課税基準と一致
付加税費とは、都市維持建設税、教育費付加及び地方教育費付加のことを指します。「都市維持建設税法」が公布された後、『教育費付加徴収の暫定条例』が都市維持建設税の課税基準の変更と伴う改正はまだ行われておりませんが、「第28号公告」の第2条に基づき、教育費付加及び地方教育費付加の課税基準は都市維持建設税の課税基準と一致することが判明されました。
3.都市維持建設税の適用税率について
「都市維持建設税法」に基づき、税率は納税者の所在地によって、「7%」、「5%」、「1%」に分けています。この点は以前の「暫定条例」の規定と変わりませんが、実際、税率を決めるには「都市維持建設税法」の他に、地方独自の規定に基づく場合もありますので、所在地の最新規定を確認、留意する必要があります。
納税人所在地 | 納付率 | 納付基数 |
市 | 7% | 納税人自身の増値税、消費税、営業税の税金額などによって計算される。 |
県、鎮 | 5% | |
市・県・鎮以外の地域 | 1% |
👇 参考例 👇
日本にある親会社A社が、中国にある子会社B社に、建設デザインのコンサルティングのサービスを提供した場合、A社が税金を負担することを前提として、B社がA社へ費用100,000元(税抜き)を送金する際の税金の源泉徴収は下記の通りとなります。
都市維持建設税法実施前(Before) 都市維持建設税法実施後(After) 増値税源泉徴収(6%) 付加税費源泉徴収合計(12%):
都市維持建設税(7%)、
教育費付加(3%)、
地方教育費付加(2%)増値税源泉徴収(6%) 付加税費源泉徴収合計(12%):
都市維持建設税(7%)、
教育費付加(3%)、
地方教育費付加(2%)6,000元 720元 6,000元 0元
※参照法律規定
(1)『中華人民共和国都市維持建設税法』
(2)『財務部 税務総局公告2021年第28号』
(3)『国家税務総局公告2021年第26号』
(4)『都市維持建設税納税人所在地具体地点の明確に関する通知』
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