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企業再編に関わる土地増値税政策の継続実施に関する通知【ニューズレター Vol.86】

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として、青葉グループの広東省広州市天河区に拠点を構える弁護士事務所より作成しております。

 

 

【背景】

財政部及び国家税務総局は2021年5月31日に共同で、「企業再編に関わる土地増値税政策の継続実施に関する公告」(以下「公告」という)を公布し、企業の再編に関わる土地増値税政策を継続して実施することにした。

 

 

【影響】

「公告」の実施期間は2021年1月1日から2023年12月31日までとし、未処理の企業の再編過程に発生した土地付増値税は、「公告」の規定に適合する場合は、「公告」の規定に従って実施できることを明らかにした。ただし、2021年1月1日以降に発生し、且つ「公告」の規定に適合したものの、すでに納付された土地増値税について、還付を申請できるか否かについては、「公告」では明らかにされていない。この点について、管轄の税務機関に打診することが勧められる。

 

 

【主要内容】

一、「通知」は基本的に財税〔2018〕57号の規定を踏襲し、企業の全体的な組織変更、合併、分割、不動産による現物出資の過程に発生する土地増値税を暫定的に徴収しない方針を継続する。具体的には以下の通りである。

 

類型

優遇政策

全体的な組織変更

企業が「中華人民共和国会社法」の関連規定に基づき、全体的な組織変更を行った場合(非会社制企業から有限責任公司または株式有限公司への組織変更、有限責任公司から株式有限公司への組織変更、株式有限公司から有限責任会社への組織変更を含む)、組織変更前の企業から組織変更後の企業への国有の土地使用権、地上の建物およびその付属物(以下、不動産という)の移転および変更に対して、土地増値税は暫定的に徴収されない。

 

注)全体的な組織変更とは、元の企業の投資主体を変えずに、元の企業の権利と義務を継承する行為を指す。

 

企業合併

2社以上の企業が1つの会社に合併し、且つ合併前の企業の投資主体が存続する場合、合併前の企業から合併後の企業への不動産の移転に対して、土地増値税は暫定的に徴収されない。

企業分立

企業が2社以上の企業に分立され、且つ投資主体が同じである場合、分立前の企業から分立後の企業への不動産の移転に対して、土地増値税は暫定的に徴収されない。

不動産による現物出資

単位・個人が、企業再編の際に不動産で現物出資する場合、投資先の企業への不動産の移転に対して、土地増値税は暫定的に徴収されない。

 

 

不動産の移転において、いずれか一方の当事者が不動産開発企業である場合、上記の企業再編に係る土地増値税の優遇政策は適用されない。

 

前述の「元の企業の投資主体を変えず」、「投資主体が同じ」とは、企業再編の前後において、出資者が変更できないことを指しているが、出資者の出資比例は変更できる。また、「投資主体が存続する」とは、元の企業の出資者は、必ず再編後の企業の出資者でなければならないことを指しているが、同様に、出資者の出資比例は変更できる。

 

 

二、「公告」は、企業が再編後、不動産を取得した当事者が再譲渡する際の土地増値税控除金額に関する問題に対して明確化にした。具体的には以下の通りである。

 

  • 「土地使用権を取得するために支払った金額」の控除金額に関して、再編前に土地使用権を取得するために支払った土地代金及び国家統一の規定に基づき納付した関連費用で確定する。

 

  • 許可を得て国有土地使用権をもって出資した場合の控除金額に関して、出資した際の、県レベル(中国の行政単位)以上の自然資源部門が承認した評価価値で確定する。

 

  • 不動産購入時の増値税発票をもって控除金額を確定する場合、再編前に当該増値税発票に記載された金額に、購入年度(当該増値税発票の日付の年度)から、譲渡年度まで毎年5%の金額を加算した上、控除金額を確定する。

 

 

【法規リンク】

「財政部 税務総局による企業の再編に関わる土地増値税政策の継続実施に関する通知」

 

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