「国家税務総局・国家外貨管理局によるサービス貿易等の項目に対する海外への支払いに係る税務届出に関する問題の補充公告」の正式公布【ニューズレター Vol.86】
本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として、青葉グループの広東省広州市天河区に拠点を構える弁護士事務所より作成しております。
Contents
【背景】
国家税務総局、国家外貨管理局は、2021年6月29日に、「国家税務総局 国家外貨管理局によるサービス貿易等の項目に対する海外への支払いに係る税務届出に関する問題の補充公告」(国家税務総局 国家外貨管理局公告2021年第19号、以下は、「公告」という)を正式に公布した。
【影響】
「公告」は、公布日から施行となり、届出者にオンライン、オフラインなどの多種を選択できる届出方式を提供し、届出プロセスをさらに簡素化し、届出回数を減らし、確実に届出者の負担軽減につながるであろう。
【主要内容】
「公告」による海外への支払いの税務届出に関する利便化措置は以下の通りである。
第一に、複数回に渡る海外への支払いの場合、一回の届け出手続きだけで済むことが可能となる。
同一契約の下で複数回に渡り海外への支払いが必要な場合、従来では支払する度に届出手続きを行う必要があったが、1回の支払いで最初に5万米ドル相当額を超えた場合にのみ、税務届出手続きを行う必要があるようになり、届出手続きの回数を減らすことにつながる。「公告」の施行前に、すでに海外への支払いに係る税務届出手続きをした場合、「公告」の施行後に、同一契約の下で引き続き海外への支払いを行う必要がある場合、税務届出手続きを繰り返す必要がなくなる。
第二に、届出免除の範囲を拡大する。
1、財政予算内の機関、事業単位、社会団体の非貿易・非営業の外国為替決済業務を、届出免除のシチュエーションの範囲に入れる。うち、「非貿易・非営業の外国為替決済業務」とは、『財政部による非貿易・非営業の外貨使用管理問題に関する通知」(財預〔2012〕410号)における第5条で明記されている状況を指し、すなわち、海外駐在機構の外貨使用、出国の外貨使用、留学生の外貨使用、外国専門家の外貨使用、国際組織会費の外貨使用、救助及び寄付の外貨使用、対外宣伝の外貨使用、株及び基金の外貨使用、対外援助の外貨使用、国外拝謁の外貨使用及び財政部門予算で確定したその他外貨使用の項目である。
2、国内直接投資による正当な収益で境内に再投資する外国人投資家については、税務届出の要求を取り消す。
第三に、オンライン手続きのルートを拡大する。
「公告」は対外支払の税務届出のオンライン手続きのルートと手順を明確にし、届出者は税務局現場で手続きすることの代わりに、自主的にオンライン手続きを選択することができる。届出者は、対外支払の税務届出のオンライン手続きを選択した場合、本省、自治区、直轄市及び計画単列市の電子税務局へ登録し、「サービス貿易等の項目の対外支払に係る税務届出表」を完全、且つ真実に基づいて記入し、届出資料を提出し、システムより自動に作成される「届出表」の番号と検証コードを記録し、外貨管理関連の規定に従い、銀行で外国為替決済業務を行う。
第四に、届出者の多様化する税務手続きニーズに応える。
税務届出のオンライン手続きを推進すると同時に、伝統的な紙での届出ルートも保留する。届出者は自分のニーズに合わせて届出方式を選ぶことができる。
【法規リンク】
「国家税務総局 国家外貨管理局によるサービス貿易等の項目の対外支払に係る税務届出に関する問題の補充公告」
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