簡易抹消登録制度の更なる改善、中小零細企業の市場撤退における便宜に関する通知 (意見募集稿) 【ニューズレター Vol.85】
本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として、青葉グループの広東省広州市天河区に拠点を構える弁護士事務所より作成しております。
Contents
【背景】
国務院の戦略及び「政府活動報告」の要求を実行し、中小零細企業と個人事業主の簡易抹消登録制度を実施し、商事登記制度の改革を引き続き深化させ、市場撤退メカニズムを推進し、特に全国全土で中小零細企業の撤退手続きの便宜を図り、市場の活性化を進めるべく、市場監督管理総局と税務総局は共同で4月16日に「簡易抹消登録制度の更なる改善、中小零細企業の市場撤退における便宜に関する通知(意見募集稿)」を発表した。意見募集の締切りは2021年5月16日となっている。
【影響】
「通知」の中の新しい政策が実施されることによって、未開業または無債権債務の市場主体が市場から撤退するのにさらに便利となる。新政策は、事業者の資源をさらに解放し、主体情報の真実性を維持することを目的としている。市場取引の秩序と取引の安全を保障する上で、行政サービスの効率をさらに高め、市場撤退する主体の責任を強化し、参入と撤退の透明性と予測可能性を強化し、商事主体のサービス体験を向上させる。同時に、新しい政策は債権者の利益を保護し、市場の安定的な運行を確保するための各種措置を積極的に講じている。
【主要内容】
一、簡易抹消登録制度の適用範囲の拡大
簡易抹消登録制度の適用範囲は、営業許可受領後に事業活動を行っておらず、登録抹消申請前に債権債務が発生していない又は発生したが決済済みの非上場株式有限公司や各種企業分枝機構から、債権債務が発生していない又は発生したが決済済みの各種市場主体に拡大された。
二、個人事業主の簡易登記抹消制度の実施
個人事業主が簡易手続にて抹消登記を行う場合、誓約書や納税証明書を提出する必要は必要なく、公示する必要もない。個人事業者が簡易登記抹消制度の申請書を提出した後、登録機関は自動的にその情報を税務部門に転送し、歴日の10日間以内に簡易登記抹消制度の適用可否に対してフィードバックを行うものとする。
三、簡易登記抹消の公示期間の短縮
簡易登記抹消の公告期間は45日から20日に短縮され、公告期間終了後、市場主体(個人事業主を除く、以下同様)は登録機関に直接、簡易抹消登記手続きを届けることができる。
四、簡易抹消登記のフォールト・トレラントシステム(障害許容)の確立
市場主体が簡易登記抹消を申請する際に、登録機関の審査を経て、簡易抹消登録手続きに該当できない状況が一部存在する場合、簡易抹消の公示を取り消す必要がなくなり、異常な状況が消滅した後に、再び手続き再開して簡易抹消登録を申請することができる。
五、抹消プラットフォームの機能フローの最適化
新政策では、市場主体が抹消プラットフォームを通じて簡易抹消の登録を行うことができ、対象となる市場主体の簡易抹消の完全オンライン登録を実現した。
【法規リンク】
「市場監督管理総局と税務総局による簡易抹消登録制度の更なる改善、中小零細企業の市場撤退における便宜に関する通知(意見募集稿)」
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