2021年度 中国優遇税制ハイライト
以前、中国の2021年度の財税政策の主要内容をまとめた記事を紹介いたしましたが、本記事ではいくつかの優遇政策についてご紹介いたします。
Contents
1. 小規模納税者の増値税優遇政策について
小規模納税者の企業に対して以前から適用されていた、コロナウィルス対策の一部税金優遇政策が2021年12月31日まで延長された。
以下、赤字箇所が変更点である。
優遇政策 |
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適用期間 |
湖北省増値税小規模納税者 |
湖北省以外の他の省、自治区、直轄市の増値税小規模納税者 |
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課税売上収入に対して3%の税率を適用の場合 |
2020年3月1日~2020年5月31日 |
増値税の徴収を免除 |
増値税率1% |
2020年6月1日~2021年3月31日 |
増値税の徴収を免除 |
増値税率1% |
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2021年4月1日~2021年12月31日 |
増値税率1% |
増値税率1% |
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源泉徴収率3%の予納増値税項目を適用の場合 |
2020年3月1日~2020年5月31日 |
増値税の予納を一時停止 |
1%の税率で増値税を予納する |
2020年6月1日~2021年3月31日 |
増値税の予納を一時停止 |
1%の税率で増値税を予納する |
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2021年4月1日~2021年12月31日 |
増値税率1% |
1%の税率で増値税を予納する |
※2021年1月1日から本公告の公布日前までに、既に徴収した本公告の規定に基づき減免すべき税金は、納税者或いは納付者が今後納付すべき税金費用から控除或いは還付することができる。
(《財政部 税務総局はコロナウィルス対策の一部税金優遇政策の継続実施に関する公告》(財税2019年7号文)に基づき、作成)
また2021年4月1日から2022年12月31日までの間、 小規模納税者において増値税課税販売行為の月額合計売上高が15万元以下の場合は、増値税が免除される。(*納税期間が四半期毎の場合は、四半期の売上高が45万元以下の場合。)
増値税課税販売行為について赤字の箇所が変更点である。
適用 期間 |
2019年1月~2021年3月 |
2021年4月~2022年12月 |
内容 |
月額合計売上高が10万元を超えていない場合は、増値税を免除する。
(*納税期間が四半期の場合は、四半期の売上高が30万元を超えていない場合。) |
月額合計売上高が15万元を超えていない場合は、増値税を免除する。
(*納税期間が四半期の場合は、四半期売上高が45万元を超えていない場合。) |
(《国家税務総局は小規模納税者の徴収免除政策の関連問題に関する公告》(国家税務総局公告2021年第5号)及び、《財政部 税務総局は小規模納税者の増値税免除政策の明確化に関する公告》(财政部 税务总局公告2021年第11号)に基づいて作成)
2. 小型薄利企業の所得税減免優遇政策(リマインド)
小型薄利企業に対する企業所得税の優遇政策の実施は以下の通り。
【優遇税率適用条件】
① 年度の課税所得が300万元以下
② 従業員300人以下
③ 資産総額5,000万元以下
【実施期間】
2019年1月1日から2021年12月31日まで
【優遇税率】
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年間課税所得額が100万元を超えない部分 課税所得額×25%×小規模企業税率(20%)
⇒税率5%
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年間課税所得額が100~300万元までの部分 課税所得額×50%×小規模企業税率(20%)
⇒税率10%
(《財務省税務総局による小型薄利企業に対する税収減免政策の実施に関する通知》(財税2019年13号文)に基づき、作成)
3. 未控除仕入税額の期末残高の還付制度の施行(リマインド)
2019年4月1日から施行されている、未控除仕入れ税額の期末留保税額の還付制度における関連規定が適用され、還付が受けられるようになっている。
〇 以下の条件を同時に満たす納税者は、税務当局に未控除仕入れ税額の期末留保税額の還付が申請できる。
条件内容 |
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① |
2019 年 4 月の税額が属する期間より、連続して6ヵ月(四半期ごとに納税する場合、連続して 2つの四半期)に新たに追加される未控除仕入税額がすべてゼロより大きく、且つ 6ヵ月目の追加未控除仕入税額が 50万元以上である。 |
② |
納税信用等級が A 級或いは B 級である。 |
③ |
税還付申請前の36ヵ月間において未控除税額、輸出税還付の虚偽申告、増値税専用領収証の偽造発行などの不正行為が発生していない。 |
④ |
税還付申請前の 36ヵ月間において脱税行為により税務機関より2回以上処罰を受けていない。 |
⑤ |
2019 年 4月1日より即時徴収・即時還付、先に徴収後還付を受ける政策を享受していない。 |
※本公告の「期末留保税額」とは2019 年 3 月末と比べて新たに増加した期末留保税額のことを指す。
〇 還付が認められる追加分の留保税額は、下記の通り計算:
還付が認められる増加留保税額=追加された留保税額×仕入税額構成比率×60%
((財政部・税務総局・税関総署公告2019年第39号:39号公告)に基づき、作成)
4. 外国籍個人に対する免税手当の廃止(リマインド)
2018年12月28日に施行された、新個人所得税法における優遇措置が、2022年以降は廃止となるため、来年度から外国籍個人の個人所得税負担が大きくなることが予想される。
適用 期間 |
2019年1月~2021年12月 |
2022年1月以降 |
内容 |
条件を満たした外国人居住者は、免税手当、または専用項目付加控除のいずれか1つを選択適用できる。また、同一納税年度において適用政策を変更することはできない。 |
条件を満たしている場合においても、外国人居住者は、住宅手当、語学研修手当と子女教育手当の免税優遇を享受できなくなる。規定に基づき、専用付加控除項目を適用する。 |
(「個人所得税法改正後の優遇政策に関する問題の通知」(財税[2018]164号)に基づき、作成)
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