「横琴一体化地域」により広東省-マカオ間協力関係ますます強固に【大湾区情報レター Vol.10】
- 公開日 2021.04.27 最終更新日 2022.01.6 | 大湾区(グレーターベイエリア)情報
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先日、広東省珠海市で横琴一体化地域の重点プロジェクトに関する調印式が行われました。 調印されたプロジェクトでは統括会社の誘致やバイオ医薬、先進的倉庫物流などの産業に関わる以下の施設の建設が含まれており、総計画投資額は260億人民元以上となっています。
・中国鉄建港航局本部化学研究室・人材基地
・中国電建市政研究院本部ビル
・中国平安珠海生命科学技術港
・炭雲智能デジタルライフ産業園
・横琴達安国際イノベーションバレー産業基地
(など計15プロジェクト)
「締結されたプロジェクトは、橫琴の一体化地域における産業指向の現在の方向性と一致している。」橫琴新区管理委員会の楊川主任は、橫琴は地域の総合的発展を加速させ、マカオの多様な産業の発展のために新しいプラットフォーム、新しいチャンネル、新しいスペースを提供すると述べました。
橫琴一体化地域は、主に橫琴新区の北部と、馬騮洲水道の北部に位置する約26平方キロメートルの新たな発展地域、つまり保税区、洪湾、十字門北区、湾仔を含んでいます。 このエリアは珠海市の中心市街地の南部に位置し、東はマカオ、西は金湾や斗門などの西部新都市と海を隔てて隣接しており、東西にまたがり、川と海にアクセスできるというユニークな利点を持っています。今回締結された15の重要プロジェクトは、保税区と洪湾区域に集中しています。
橫琴新区発展改革局の王彦副局長は、「香港・珠海・マカオ大橋の開通後、一体化地域は西海岸で唯一の橋の出口となり、珠江と香港マカオ間の道路と橋の接続を実現させました。鉄道輸送、主要幹線エキスプレス、海上大橋が続々と完成、もしくは急ピッチで進められており、一体化地域と大湾区の主要都市を密接に結びつけています。」と紹介しました。
また、横琴達安国際イノベーションバレー産業基地のプロジェクト責任者である張容瑜氏は「達安基因(DAAN GENE: 新型肺炎のPCR検査など医療診断キットなどを扱う広州市中山大学傘下の企業。2003年に深セン証券取引所に上場。)は以前から横琴の発展を長期にわたり有望視しており、近年は投資を拡大し、一体化地域で産業基地を構築することで珠海に根を下ろし、横琴への『リポジショニング』を行っています。
このプロジェクトは、60億人民元を投じてバイオ医薬のインキュベーター、アクセラレーター、シェア工場を構築し、達安のサプライチェーンに含まれる300社以上のバイオ医薬企業を中心に、多くの中核企業が横琴に定住するように導き、育成することにより、マカオと横琴のローカルバイオ医薬産業クラスタを牽引し、珠海、マカオ、ポルトガル語圏およびEU諸国間において広範かつ綿密な国際協力を展開していきます。」と、語っています。
中国電建集団市政規劃設計研究院有限公司は、保税区内の科学研究本部、オフィス、ビジネスビルの建設プロジェクトに10億人民元を投資する予定です。会社は4年前に横琴新区にて設立登記され、これまでに珠海を拠点として大湾区に進出し、横琴新区の「スポンジシティ・プロジェクト」、横琴新区の「香港・マカオ・インテリジェント・シティの排水路プロジェクト」、珠海市富山の「第一浄水場プロジェクト」など、重要な都市インフラプロジェクトを推進してきました。
同社の黃建東副総経理は
「横琴と珠海の発展に貢献することが出来、同時に同地区の発展が当社に更なる発展の機会をもたらしてくれました。これからも横琴に寄り添い、共に成長していきたいと思います。」
と語っています。
橫琴一体化地域は、良質な産業を吸収するだけでなく、都市建設における長期的かつ高レベルな出発点による計画、設計に基づいており、幹線道路、高速道路、中央緑化都市公園、スローウォーキング空間、橋、トンネル、ケーブル施設などの行政インフラ建設プロジェクトにおいて、高水準の現代国際都市を参考にしています。
横琴の一体化地域は、一方では新しい開発コンセプトを用いて地域産業の配置を調整・促進することを堅持し、他方では未来志向のコンセプトを用いて独特の魅力を持つ新しい都市センターを創造していきます。
【参考資料】
・「横琴一体化地域」により広東省-マカオ間協力関係ますます強固に
*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。
本記事の目的:
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