「外国投資安全審査弁法」解読【ニューズレター Vol.83】
本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として、青葉グループの広東省広州市天河区に拠点を構える弁護士事務所より作成しております。
【背景】
2020年12月19日に国家発展改革委、商務部は「外商投資安全審査弁法」 (以下「安審弁方」と略称する) を発布し、発布日から30日後に施行される。
【影響】
今後、外国投資企業が重要な、エネルギー・資源、設備製造、文化製品・サービス、IT・インターネット製品、サービスなどの領域に投資し、且つ投資した企業の実際支配権を取得するには、安全審査を経る必要となり、外国投資企業の投資行為の審査にある程度の影響が予想される。
【主要内容】
一、外商投資安全審査機構の設立
外商投資安全審査業務体制を構築し、そのオフィスは、国家発展改革委員会に設置される。外商投資安全審査の申告は、国家発展改革委員会政務サービスホールで受付を行う。
二、外商投資安全審査範囲の明確化
以下の範囲内の外国投資企業の投資活動に対して安全審査を行う。
- 軍事工事、軍事工事付随品などの国防安全にかかわる分野、及び軍事施設と軍事施設周辺地域への投資。
- 国家安全に関わる重要な農産物、エネルギーと資源、設備製造、インフラ、輸送サービス、文化製品・サービス、IT・インターネット製品・そのサービス、金融サービス、テクノロジー及びその他の重要分野への投資で、且つ投資企業の実際支配権を取得する場合。
三、外商投資安全審査申告メカニズムの策定
外国投資者又は国内関連当事者は、投資を実施する前に審査範囲に属する投資を自主的に申告しなければならない。
四、外商投資安全審査プロセスと期限
安全審査は3段階に分けられる。第1段階は予備審査であり、申告要求に応じた材料を受け取った日から15営業日以内に安全審査を開始するか否かを決定する。第2段階は一般審査で、審査開始日から30営業日以内に審査通過の決定を行う。或いは、プロセスに従って、次の段階の審査に進む。第3段階は60営業日以内に完了する特別審査であり、一般審査を通過しなかった項目のみ特別審査に入る。
五、外商投資安全審査決定の執行
安全審査を通過したものは、投資を実施することができる。条件を課されて安全審査を通過したものは、その附加条件に従って投資を実施しなければならない。 投資禁止決定が為された場合、投資は実施してはならない。
【法規リンク】
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