広東省マクロ物流コスト効果的削減実施計画」発表　国家物流ハブを育成【大湾区情報レター Vol.88】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。

 

 

最近、広東省人民政府弁公庁は「広東省マクロ物流コスト効果的削減実施計画」（以下「実施計画」）を発表し、7つの方面に渡って具体的措置を策定し、2027年までにマクロ物流の総コストとGDPの比率を約13％に削減することを目指しています。

 

 

「ハブ＋ルート＋ネットワーク」の物流施設システムを改善

計画によると、広東省全体の総合輸送ルートハブネットワークのレイアウトがさらに完備され、貨物輸送構造が大幅に最適化され、鉄道貨物輸送量及び取扱高が安定して増加することを目標としています。水路貨物輸送及び取扱高の合計については、マクロ貨物輸送及び取扱高に占める割合が中国全体の最先端を維持し、沿岸主要港湾のコンテナ鉄道・水路一貫輸送量が120万TEUに達することを目指しています。

 

国家物流ハブと主要なコールドチェーン基地の育成と建設を進め「ハブ＋ルート＋ネットワーク」の物流施設システムをさらに整備し、スマート化、グリーン化、標準化の発展レベルが大幅に向上し、産業チェーンの回復力と安全性を支える近代的ロジスティックへの支援は大幅に増加しています。

 

 

 

輸送構造の最適化を加速

「実施計画」によると、広東省は輸送構造の最適化を加速し、双循環（内循環（国内市場）と外循環（海外市場））に適応する基幹輸送ネットワークを構築する必要があります。具体的には、以下のように述べられています。

 

• 鉄道貨物輸送の改革を向上させ、全国鉄道貨物市場改革案を精緻化し、鉄道とマクロ物流企業及び大企業との協力を深め、物流の一括請負を展開し、鉄道の「ドア・ツー・ドア」全プロセスサービスを推進し、「鉄道貨物輸送」を「鉄道物流」に転換させることを目指す。

 

• 道路貨物輸送の組織化レベルと効率を向上させ、ネットワーク貨物輸送プラットフォームの規範的な発展を導き、プラットフォーム型物流サービス企業の規模化、集約化発展を奨励し、サービス運営ネットワークを拡大する。

 

• 内陸水運の能力を向上させ、港湾航運インフラ整備に注力し、珠江－西江の「黄金水道」など内陸水路の潜在能力を十分に引き出し、北江水路の拡張整備プロジェクト、順徳の水道航路の拡張整備プロジェクトなどを推進し、建設を加速させる。

 

• 航空貨物輸送の専門的発展を推進し、広州と深圳の航空複合一貫輸送施設の整備を支援し、広東省内の中小空港の貨物インフラ建設を推進する。

 

• 多様な複合一貫輸送モードの革新的な発展を促進し、港湾航運、鉄道貨物輸送、航空クーリエ、貨物代理などの主要企業およびプラットフォーム型企業が積極的に複合一貫輸送の運営業者へ転換することを奨励し、安定した運営とブランド運営を実現する複合一貫輸送商品を育て上げる。

 

 

 

物流インフラのレイアウトを最適化するために、「実施計画」は生産力のレイアウトと協調した物流ネットワークを改善することを提案しています。

 

物流ハブの建設と機能向上をシステマティックに推進し、広州、深圳、珠海、汕頭、仏山、東莞、湛江などの都市における国家物流ハブのレイアウトと建設を推進し、国家物流ハブ間の相互接続を強化します。また、バルク商品物流の発展を加速し、港湾航運インフラのバルク商品に対する荷役能力と航路の航行能力を強化し、地域の特色を活かしたバルク商品サプライチェーンアライアンスの発展を奨励します。

 

 

 

 

国際物流の積極的な発展

現代的サプライチェーンマネジメントのレベルを向上させることは、マクロ物流業界の質の高い発展に対する必然的な要件となっています。

 

「実施計画」では、製造業のサプライチェーンの革新と応用を推進し、重点産業及び企業の物流サービス需要リスト作成、大規模なプラットフォーム企業、製造企業、物流企業の長期的な戦略的協力関係確立を奨励しています。国際物流の発展と産業チェーンの安定性向上に関して、「実施計画」には以下の4つの重点方向が定められています。

 

 

• 輸出入プロセスの物流効率をさらに向上し、港湾使用料の公開制度を実施し、港湾使用料の透明性と比較可能性を高める。船舶代理業者、貨物代理業者の料金体系を規範化し、港外ヤードにおけるコンテナの洗浄・修理、二次吊り上げなどの作業基準および料金体系を規範化を推進する。

 

• 広東省－香港－マカオ間物流の共同発展を加速し、広東省－香港間のコンテナバージ航路を最適化し、異なる港湾から出発する貨物をまとめてワンストップで輸出通関手続きを行う「一港通」「複合港」などの適用範囲をさらに拡大し「東莞－香港国際空港センター」の建設を推進し、クロスボーダー海空複合一貫輸送モデルの革新。

 

• 中国輸出を牽引する「新御三家」（電気自動車、リチウム電池、太陽光発電製品）の輸出物流効率を向上させ、広東省内港湾の「新御三家」輸出に適したコンテナヤード建設を強化し、RORO（ロールオン・ロールオフ）船ターミナル建設を加速し、リチウム電池製品、化粧品の輸出を含む越境ECの常態化を支援する。

 

• 国際物流航路の建設を強化し、広州白雲国際空港、深圳宝安国際空港の国際輸送ルートの改善を支援する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【参考資料】

《广东省有效降低全社会物流成本实施方案》印发 培育建成一批国家物流枢纽

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

 

.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本記事の目的：

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

免責事項：

1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
2. 青葉コンサルティンググループ及びその傘下の関連会社は、本報告書における法律、法規及び関連政策の変化について追跡報告の義務を有するものではありません。
3. 法律法規の解釈や特定政策の実務応用及びその影響は、それぞれのケースやその置かれている状況により大きく異なるため、お客様各社の状況に応じたアドバイスは、各種の有償業務にて承っております。

4. 本文は国際的、業界の通例準則に従って、Aoba Business Consultingは合法チャネルを通じて情報を得ておりますが、すべての記述内容に対して正確性と完全性を保証するものではありません。参考としてご使用いただき、またその責任に関しましても弊社は負いかねますことご了承ください。

5. 文章内容（図、写真を含む）のリソースはインターネットサイトとなっており、その版権につきましては原作者に帰属致します。もし権利を侵害するようなことがございました際は、弊社までお知らせくださいますようお願いいたします。

※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。