NEWS

ニュース

【中国】法定休暇増加により2025年賃金換算方法も更新!

 

2025年1月1日、中国人力資源及び社会保障部は「従業員の通年月平均労働時間と賃金の換算にかかわる問題に関する通達」を発布し、その中で、従業員の通年月平均労働時間と最新の賃金換算方法を発表しました。

 

そのため、2008年1月3日に元労働局及び社会保障部が発表した「従業員の通年月平均労働時間と賃金の換算にかかわる問題に関する通達」(労社部発「2008」3号)が、同時に廃止されることになります。

 

これは、「『全国年節及び記念日休暇弁法』を改正する決定」(国務院令第795号)により、2025年度は、全国民の法定休暇が、従来の11日から13日に増加することになったため、従業員の通年所定月平均労働時間と賃金の換算方法が、以下のように調整されることになりました:

 

 

所定労働時間の計算方法

項目 以前の計算方法 現在の計算方法

年間労働時間数

365日/年 – 104日/年(休日) – 11日/年(法定休暇)=  250日/年 × 8時間/日 = 2000時間

365日/年 – 104日/年(休日) – 13日/年(法定休暇)=  248日/年 × 8時間/日 = 1984時間

四半期の労働時間数

250日/年 ÷ 4四半期 = 62.5日/四半期 × 8時間/日 = 500時間

248日/年 ÷ 4四半期 = 62日/四半期 × 8時間/日 = 496時間

月間労働時間数

250日/年 ÷ 12月 = 20.83日/月 × 8時間/日 = 166.64時間

248日/年 ÷ 12月 = 20.67日/月 × 8時間/日 = 165.36時間

週間労働時間数

40時間/週

40時間/週

 

所定労働時間とは、法律と実際の仕事内容に基づき、労働契約または就業規則であらかじめ決められている労働時間であり、原則的には法定労働時間で定められた上限を超えてはいけません。

 

 

 

日給、時給の換算方法

労働法の第51条により、法定休暇に関し、雇用主は法律に従って給料を支払わなければならなりません。日給、時給を計算する際は、上述の年間労働日数の計算方法とは違い、13日となった法定休暇を控除して計算してはいけません

そのため、日給、時給の計算方法に使用する月の労働基礎日数は、

 

月給計算の基礎日数: (365日-104日)÷12月=21.75

 

となることに注意してください。そのため、日給および時給の計算方法は以下の通りとなります。

 

項目 計算方法

日給:

月給÷月給計算の基礎日数(21.75日)

時給:

月給÷(月給計算の基礎日数(21.75日)×8時間)

 

*月給計算の基礎日数とは、賃金や報酬の支払対象となる日数であり、賃金を計算・換算する基準として使われます。

 

 

残業代の計算方法には要注意!

労働制度の適用によって、残業代の計算方法」 及び 今回の「法定休暇日増加」による影響が異なることに注意してください。

 

① 標準労働時間制を適用する企業(一般企業)‐影響なし

標準労働時間制とは、労働時間を固定する労働時間制度で、《労働法》及び《国務院の従業員勤務時間に関する規定の修正》により、毎日の労働時間は8時間を超えず、毎週の労働時間は40時間を超えないとしています。

 

例:休日、法定休暇休暇を含まない月間残業代を計算する場合

月間残業時間=実際の月間労働時間‐5勤務日/週 ×8時間×4週=A

月間残業代=A×時給×150%

 

 

 

②総合計算労働時間制を適用する企業‐影響あり

標準労働時間に対し、標準労働時間の制限にとらわれず、週、または、月、四半期、年を週期として、労働時間の割り振りを定められる変形労働時間の制度を総合計算労働時間制と言います。週期内で法定の労働時間を超えた労働時間については残業代を支払わなければなりません。

 

所定労働時間を超えた部分に対し、法定休暇ではない場合(平日と休日を区別しない)、正常賃金の150%またはそれ以上を支払う必要があり、法定休暇の場合は、正常賃金の300%またはそれ以上を支払わなければなりません。

 

例:月を週期とし、法定休暇を含まない場合

月間労働時間=月間実際労働時間‐月間標準労働時間数=B

月間残業代=B×時給×150%(またはそれ以上)

 

 

ただし、総合計算労働時間制は自由に導入できるわけではありません。企業工商登記登録地の人力資源及び社会保障局に、許可申請を行わなければならず、それに加えて、法律では、総合計算労働時間制の適用業種は以下のように規定されています。

 

業務の特性 具体的な業種

業務性質の特殊性から連続作業が必要な従業員

交通、鉄道、郵便・電信、水運、航空、漁業等

四半期節と自然条件の制限を受ける業界の一部の従業員

地質及び資源探査、建築、製塩、製糖、旅行等

その他総合計算労働時間制の実施に適する従業員

(地方政府の通達等による)

 

 

 

 

③不定時労働時間制を適用する職種‐影響なし

不定時労働時間制とは、所定労働日における出退勤時刻をあらかじめ固定せず、標準労働時間制及び時間外労働規制に縛られない弾力的な労働時間制度です。

 

標準労働時間制の例外として、一定の職種に従事する労働者に対して、原則として労働行政部門の事前許可を条件に不定時労働時間制(日本でいう裁量労働時間制)を実施することを認めています。

 

 

不定時労働時間制が認められている職種は、下記の通りです。

 

  • 企業の高級管理人員、外勤人員、営業人員、当番者の一部、及び他の標準労働時間により評定できない労働者
  • 企業の長距離運送人員、タクシー運転手、軌道、港口、倉庫の積卸人員の一部及び工作性質が特殊、機動作業要の労働者
  • 企業の消防と生化学救援当番者、当番の運転手
  • その他生産特性、労働特殊需要又は職責範囲の関係による不定時労働制に適合する労働者

 

 

不定時労働時間制に関しては、『労働法』による延長労働時間にかかわる規定の適用範囲外であるため、平日および休日の残業は認められません。一方、法定休暇の残業も通常認められていませんが、地域別に規定が異なることにより、労働者の日給または時給の300%またはそれ以上の残業代を支払わなければならりません。

 

 

 

Aobaグループには経験豊富な税理士や弁護士が多数在籍していますので、中国での給与計算などお困りごとがございましたら、いつでもお気軽にご相談ください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【参考情報リンク先】

人力资源社会保障部关于职工全年月平均工作时间和工资折算问题的通知

2025年工资折算方式有变!

中华人民共和国劳动法

2025年度中国のカレンダーが発表!2025年は祝日が2日増。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

.

 

 

 

 

 

 

 

 

本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

免責事項:

  1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
  2. 青葉コンサルティンググループ及びその傘下の関連会社は、本報告書における法律、法規及び関連政策の変化について追跡報告の義務を有するものではありません。
  3. 法律法規の解釈や特定政策の実務応用及びその影響は、それぞれのケースやその置かれている状況により大きく異なるため、お客様各社の状況に応じたアドバイスは、各種の有償業務にて承っております。
  4. 本文は国際的、業界の通例準則に従って、Aoba Business Consultingは合法チャネルを通じて情報を得ておりますが、すべての記述内容に対して正確性と完全性を保証するものではありません。参考としてご使用いただき、またその責任に関しましても弊社は負いかねますことご了承ください。

  5. 文章内容(図、写真を含む)のリソースはインターネットサイトとなっており、その版権につきましては原作者に帰属致します。もし権利を侵害するようなことがございました際は、弊社までお知らせくださいますようお願いいたします。

※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。

Contact Us お問い合わせはこちら