NEWS

ニュース

広州・深圳で「低空経済」に関する会議を相次いで開催【大湾区情報レター Vol.82】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。

 

 

パリ五輪の開会式では、広東省の企業である高巨創新(High Great)製ドローン1,000機のパフォーマンスがパリの夜空に輝き、まるで中国の”低空経済”の発展を彩るかのような盛大なパフォーマンスとなりました。中国ではこのようなドローンを使った産業をはじめとした、千メートル以下の低空域で行われる経済活動の”低空経済”が加速しています。

 

共産党の20期中央委員会第3回全体会議(以下「三中全会」)で審議および採決された「中国共産党中央委員会の改革のさらなる全面深化と中国式現代化の推進に関する決定」においても、「近代化インフラ建設の体制やメカニズムの整備」を体系的に展開するとしており、その中で「一般航空と低空経済の発展」について具体的に言及されています。

 

 

深圳で「天空都市」の建設を発表

2024年8月2日、深圳市低空経済高品質発展大会が開催され、大湾区が世界をリードするための「天空都市」建設に関する一連の政策及び措置、試験結果が発表されました。

 

深圳市は、三中全会において決定された方針に基づき、

 

・低空経済及び航空宇宙戦略的新興産業クラスタの積極的な育成、

・高品質の低空インフラシステムの構築、

・世界的な低空経済本部研究開発センター、ハイエンド・インテリジェント製造センター、フルシナリオデモ検証センター及びワンストップソリューション供給センターの設立、

 

を加速させ、低空経済に関する科学技術の「核となるパワー」と「産業競争力」を強化を実施していくとのこと。

 

 

 中国民航局(CAAC)の安全局長・舒明江氏は会議で、

 

「深圳市の低空経済発展は国の最前線にあり、CAACは引き続き深圳市の低空経済発展を支持し、深圳市が無人航空試験区の建設に基づき、継続的に低空経済産業サービス体系を完備し、耐空性審査基準の研究、都市航空交通応用シナリオ、低空インフラ建設などの面において先行テストを実施し、中国の低空経済の高品質発展に貢献することを望みます」

 

と述べました。

 

 

 

深圳の低空経済の一つ「ドローン事業」の様子

 

 

 

大湾区でも「空中タクシー」や「ドローンデリバリー」が

深圳だけではなく、大湾区も既に中国の低空経済の先駆者となっており、朝のラッシュアワー時に「空中タクシー 」での出勤や、お昼のランチがドローンで配送されたり、 「フライトカー 」に乗って低空飛行の観光ツアーに参加する、などなどSF映画のようなシーンが現実になりつつあります。

 

これは広東省が省レベルから広州や深圳などの主要都市に至るまで、政府主導で低空経済分野を先行しているからです。まず、省レベルにおいては「広東省低空経済高品質発展促進行動計画(2024-2026年)」の中で、2026年までに広東省の低空経済規模を3000億人民元以上とするという目標を打ち出しています。

 

そして、都市レベルにおいては、深圳市が中国で初めて低空経済における法律を制度化し、2022年末に実施プログラムを発表、そして2023年末までにに行動措置を打ち出しました。 広州市もこれに続き、今年5月には実施計画を発表、同時に関連法規の立法作業に着手しました。さらに、今年7月には都市低空産業の発展を支援するための措置も打ち出し、同時に100億人民元規模の広州低空経済産業基金、及び広州低空インフラシステム建設計画を打ち出しています。

 

 

これらの政策指導に後押しされ、大湾区は低空経済インフラの建設において先陣を切っています。例えば深圳は、世界に先駆けて「低空頭脳」を設置するべく、知能融合低空システム(SILAS)のパイロット版を発表しました。このシステムは、市レベルにおいての低高度空域をデジタル化する、世界初の低高度管理・サービス運営システムとなっています。

 

大湾区は、企業が新しい分野のチャンスをつかむことが出来る格好の場とも言え、既に広州市と深圳市の低空産業企業は、4,000社を超えており、全国1位と2位を占めています。順豊(SF)グループの高級副総裁、楊天平氏は、

 

「良好なビジネス環境と政策支援のおかげで、順豊グループ傘下であるドローン物流会社の豊翼科技は、深圳を中心に大湾区をカバーする低空物流ネットワークを構築しています。」

 

と述べています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【参考情報リンク先】

广深接连召开低空经济大会,发布若干举措

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 






 

 

 

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

 

.

 

 

 

 

 

 

 

 

本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

免責事項:

  1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
  2. 青葉コンサルティンググループ及びその傘下の関連会社は、本報告書における法律、法規及び関連政策の変化について追跡報告の義務を有するものではありません。
  3. 法律法規の解釈や特定政策の実務応用及びその影響は、それぞれのケースやその置かれている状況により大きく異なるため、お客様各社の状況に応じたアドバイスは、各種の有償業務にて承っております。
  4. 本文は国際的、業界の通例準則に従って、Aoba Business Consultingは合法チャネルを通じて情報を得ておりますが、すべての記述内容に対して正確性と完全性を保証するものではありません。参考としてご使用いただき、またその責任に関しましても弊社は負いかねますことご了承ください。

  5. 文章内容(図、写真を含む)のリソースはインターネットサイトとなっており、その版権につきましては原作者に帰属致します。もし権利を侵害するようなことがございました際は、弊社までお知らせくださいますようお願いいたします。

※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。

Contact Us お問い合わせはこちら