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中国フードデリバリー大手「美団 (Meituan)」、予想を上回り四半期売上高25%増

  • 公開日 2024.06.14 | 中国

 

中国ではフードデリバリーが盛んで、街中至る所に電動自転車に乗った配達員が走り回っています。また食べ物だけではなく、スーパーマーケットやドラッグストアで販売している商品のデリバリーサービスも行われており、たった数元(〇十円)程度の商品でも数元の配達料で運んできてくれます。

 

コロナ禍でこれらのサービスの利用率が急上昇をしていましたが、ゼロコロナ解除後の2023年から外食の利用が増えたこと、また現在の不景気も手伝い、この業界における経済成長はあまり芳しくありません。

 

そんな中、デリバリーサービスの大手一角の一つである「美団(Mei tuan)」の2024年3月期決算は、売上高101億米ドル、利益7億4500万米ドルと、予想を上回るものでした。

 

 

 

第1四半期の売上高が予想を上回る前年同期比25%増

中国最大手の一つ、デリバリー・サービス・プロバイダーである美団は木曜日、第1四半期の売上高が予想を上回る前年同期比25%増となったと発表した。

 

北京を拠点とする同社は、第1四半期のデリバリーサービスにおける取引数が、前年同期比28.1%増の550万件となり、前年同期の586億元から733億元(101億米ドル)まで売上高が増加した。これは、ロンドン証券取引所グループがまとめたアナリスト予想平均であった703億元を上回っている。

 

第1四半期の純利益は54億元に達し、これは前年同期の34億元を約60%上回っている。6月6日に行われた同社の決算説明会でMeituanの共同設立者兼最高経営責任者(CEO)のWang Xing氏は、「我々は効果的に業界のリバウンドを取り込み、地元の消費を活性化させ、第1四半期の堅調な業績につながっている」と語った。

 

 

 

 

株価の値動きはほぼ横ばい

この四半期決算発表を終えた同日の美団の香港市場での株価の値動きは、ほぼ横ばいの112.70香港ドルで取引を終え、またその後2週間の値動きも112~114香港ドルのレンジとなった。今回の決算は、ゼロコロナ解除後の不安定な景気回復に対処した結果ではあるものの、中国の市場において個人消費の低迷に対する懸念が払拭されなかった。

 

 

 

今後の戦略について

「何百万もの加盟店やブランドと密接に協力し、業界のバリューチェーンにより深く入り込み、革新的なビジネスモデルを積極的に模索している」と決算説明会で述べた同社は、中国国外の市場でのサービス展開にも意欲的だ。「長期的には、当社の製品とサービスを世界中のオーディエンスに提供し、世界中の消費者と加盟店の両方により良いサービスと体験を提供することが目標です。」と述べ、東南アジアでのビジネスチャンスを模索しているのだと付け加えた。

 

実際今年4月には、サウジアラビアの首都でフードデリバリーのプラットフォームを立ち上げる計画があると報じられた。中東で最も裕福な都市のひとつであるリヤドへの進出は、2023年に成功した香港進出に続くものとなる。

 

 

 

 

様々なディスカウントサービスによる躍進

美団ではオンデマンドの食品や食料品のデリバリーサービスのみならず、ホテルや旅行の予約、加盟店のマーケティングサービスなども行われており、これらサービスを含めた同社のキャッシュカウ*の中核であるローカルコマース事業の売上高は、27.4%増の546億元に急増した。

 

ByteDance傘下の抖音(douyin)や、アリババ・グループ・ホールディングの現地消費者サービス部門に属するフードデリバリー・プラットフォーム饿了么(Ele.me)など、多数の競合他社を抜いたこの増収の要因は、クーポンやディスカウントなどのサービスが他社より優れいたことが挙げられる。

 

また、第1四半期には、拼好飯(Pin Hao Fan)といったグループ購入によるディスカウントサービスの対象を、中国本土のより多くの都市に拡大したと同社は述べた。同社は、注文発送システムと業務の改善により、拼好飯の1日の注文量のピークが同四半期に過去最高を記録したとも述べた。

 

 

*キャッシュ・カウとは;
市場成長率が低く競争が鈍い分野において、高い市場シェアをとった製品・事業セグメントである。簡単に言えば長期にわたり安定して利益を上げることのできる製品・事業セグメントのこと。

 

また、人気ドラマとのコラボレーションによるキャンペーンでは、人気チェーン店の割引メニューに加え、年末年始の消費者需要を喚起するためのマーケティング・キャンペーンを展開し、メガヒット商品の販促のために幅広い選択肢のクーポン・パッケージや割引を提供したことが功を奏した。

 

そのためオンライン・スーパーマーケットとグループ購入によるディスカウントサービスといった新しいビジネスセグメントの営業損失が、前年の50億元から28億元に縮小している。

 

ただ一方で、投資コンサルタント会社サードブリッジのアナリストのによると、これらの戦略は注文数の増加に貢献したかもしれないが、平均注文金額の減少にもつながったという。

 

 

 

 

 

 

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参考リンク:

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本記事の目的:

本記事は、主に香港へ進出されている、またはこれから香港進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、香港での経営活動や今後の香港ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

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