香港施政方針:香港企業に勤めている外国人従業員に対し、2年以上の「中国マルチビザ」が申請可能に
2023年10月25日、香港の李行政長官は施策方針演説の中で、より多くの外資系企業が香港に進出するよう誘致するための政策について言及した。その中で、かねてから在香港の外国人が待望していた中国への入国に関する措置についても発表があった。
※施政方針とは:
香港政府のトップである行政長官が、どのような考えや方針で、今後の香港の行政を進めていくかを明らかにするもので、毎年秋頃に行われます。
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香港企業所属の外国人従業員の中国渡航用ビザは優先的に処理
10月26日より、グレーターベイエリア内での人材の中国・香港間の流れを促進するため、香港企業の外国人従業員が、中国本土へ渡航するための2年以上の「マルチ」ビザを申請することができ、その申請は通常のビザ申請より手続きより優先的に処理されるようになるとのこと。また香港永久居民であれば、最長5年間有効の「マルチ」ビザを申請することができる。
さらに、この円滑化措置は、香港の留学生や香港居住者の扶養家族など、中国系以外の香港永住者/非永住者である外国人も対象となっているが、外国人ヘルパーは対象外となる。
急を要する場合は手続きの事前要約は免除
手続きは香港の湾仔にある中国ビザ申請サービスセンター(VASC)で行う必要がある。
申請者はまず事前に当センターのホームページのオンラインフォームを記入し、そして申請書類一式を直接センターで提出する日時の予約を行わなければならない。予約した日に書類を提出したあと、最短で翌日に許可証を受け取ることができる。
また、緊急でビザ取得の必要がある場合は、この事前予約を免除されるとのこと。
香港企業の外国人従業員に対するビザ申請事項に関する要点
優先ラインによる受付
事前予約した日時に予約票を受付けに提示する際、係員へ以下の香港企業での雇用を証明できるいずれかの書類を提示することで、優先処理用の整理券が発行される。
- 雇用証明書
- 従業員カード
- ビジネスカード
- 雇用契約書
- 法人登記書
- 税務居民証明書
予約した時間に遅れる場合
事前予約した申請書を提出する時間にビザセンターへ到着できない場合において、ロビー入口にいるスタッフに超過/事前予約票を提出しその旨を伝えることで、到着した時間枠で申請書を処理するよう手配することができる。
予約日時の変更について
急用で予約した時間に来れない場合は、予約をキャンセルして別の日時に改めて予約することができる。予約変更の連絡は、Eメール(hongkongcenter@visaforchina.org)にてビザセンターへその旨を連絡できる。
急な中国出張が必要な場合
もしも仕事の都合や人道的理由により、急を要する中国本土へ行かなければならない場合は、特別料金を支払うことで申し込むことができる”緊急サービス”を利用すると、最短で翌営業日にビザを取得することができる。
申請代行の条件について
ビザ申請者である当該従業員が、過去に中国ビザを申請する際に指紋採取を行っている場合、新規ビザ申請時の指紋採取は免除される。そのため、申請者ではない第三者による申請手続きの代行が可能となる。
代行する場合は必ず、記入済みのオンラインフォームをプリントアウトし、申請者本人により署名し(1ページ目と7ページ目)、過去6ヶ月以内に撮影されたビザ用顔写真の要件を満たした顔写真と一緒に署名原本のフォームを提出しなければならない。
(*12月31日以前までに、ビジネス、観光、親族訪問、出張のためにシングルまたはダブルエントリーの入国ビザを申請する場合においても同様に、上記を条件に代理申請が可能。)
中国ビザセンターの連絡先
営業時間である9:00-12:00、13:00-16:00(月曜日から金曜日、祝日を除く)の間に、以下連絡先への問い合わせが可能となります。
Tel: +852 2992-1999
Email: hongkongcenter@visaforchina.org
弊社のビザ申請サポートが必要な際は、お気軽にお問合せください。
【参照リンク先】
行政長官向立法會發表《行政長官2023年施政報告》發言全文(三)
外國專才呻辦北上簽證繁鎖 鄧炳強指「一簽多行」簽證最快翌日可領|
本記事の目的:
本記事は、主に香港へ進出されている、またはこれから香港進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、香港での経営活動や今後の香港ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。
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