【香港】初めての台風シグナル発令。T8って何?会社はどうしたらいいの?
- 公開日 2023.10.20 | 香港
2023年は台風が多い年でしたが、みなさま無事にお過ごしでしたでしょうか。つい最近も10月にもかかわわらず、大きな台風が香港付近を通過したことが記憶に新しいかと思います。
さて、香港での台風や大雨となった時に発令される「暴風雨警報」の出社(営業)基準についてご存知でしょうか。日本と同じく台風が比較的多い香港ですが、公共交通機関が動いている限り出社となる日本とは異なり、発令された警報による基準が存在します。私自身うっかり自宅待機なのに家を出てしまった経験があることから、今回はその基準についてお話いたします。
1.台風シグナル
出社/待機 | シグナル |
出社 | |
出社 | |
待機 | |
待機 | |
待機 |
(Hong Kong Observatory Website より)
香港天文台/Hong Kong Observatory(日本でいう気象庁)が台風シグナルを発令します。表のように、台風シグナルには1、3、8、9、10の5段階の強さがあります。台風を意味するTを数字の前に付け、T1、T3、T8、T9、T10と呼ばれます。
T1、T3は比較的に雨風が弱く、交通など安全性に影響がないことから、出社が原則です。
T8は風の方向により4種類シグナルがありますが、同じ強さを表します。雇用条例で定められていませんが、通常は雨風が強く、危険が及ぶ可能性があることから、労働局が発行しているガイドラインに従い、従業員は警報がT3に解除されるまで自宅待機となります。また公共交通機関も運休もしくは本数を大幅に減らされます。
T9、T10は、T8の強さをさらに上回り危険なことから、こちらも自宅待機が基本です。
2.レインストームシグナル(大雨警報)
出社/待機 | シグナル |
出社 | |
出社 | |
待機 |
(Hong Kong Observatory Website より)
台風シグナルの他、香港には降水量の強さによって発令されるレインストームシグナルというものがあります。こちらもHong Kong Observatoryが各シグナルを発令します。どのシグナルも雨は強いですが、黄色および赤は、出社となります。ただし黒雨は危険であることから自宅待機となります。
ちなみに今年9月に黒雨警報が発令された際は、道路が冠水、駅に大量の雨水が流れ込むなどの大規模な被害があったほどです。そのため、黒雨発令時は、自宅に限らず安全な場所での待機が第一とされています。
3.シグナル発令≠休み
1、2で各シグナルによる出社/待機についてお話ししましたが、自宅待機とされるシグナルが発令されたからと言って、それは休みという意味になるわけではありません。
これは各企業の就業規則により異なり、リモートワークに切り替えを求める企業もあれば、、ただ自宅待機とする企業もあります。休みだと思って家でのんびりしていたが、実際はリモートワークが必要だった場合、企業によっては無断欠勤と見做されてしまう可能性もあるため、一度ご自身の会社の就業規則ではどのような決まりになっているか確認されてみてください。
また、朝はT8や黒雨警報が発令されていたため、自宅待機だったものの、「午後○○時までにシグナルが解除された場合、〇時間以内にオフィスへ出社しなければならない」というように多くの企業は定めています。ちなみに、弊社では午後2時までに解除された場合、解除から2時間以内に出社するようにと規定されています。これらの規定についても交通状況などにより各企業により異なるため、自社の就業規則はどうなっているか確認してみてください。
4.さいごに
上述の通り、労働局のガイドラインにしたがいHong Kong Observatoryの発令するシグナルにより、出社/自宅待機の基準はありますが、リモートワークの有無や、シグナルが解除された場合のオフィスへの出社時間は、企業により定める必要があります。しかしながr、まだ就業規則に定められておらず、曖昧になっている企業も多くあるようです。
曖昧であるがために、従業員が本来就業すべきなのにしていない、オフィスへ来ないなどの問題が起こりかねないため、もしもシグナル発令時の対応方法を就業規則に明記されていない場合は、更新されることをお勧めいたします。。弊社青葉グループでも、就業規則のレビューや更新といったサービスを提供しておりますので、変更をご検討されている場合や、適切な変更内容がご不明な場合は、お問い合わせください。
10月も半ばを過ぎ、香港の今年の台風シーズンは終わりましたが、来年の夏以降の台風に向け、ぜひご参考ください。併せてご自身の企業のルールをきちんとご確認いただき、シグナル発令時に心身ともに安全に過ごせるよう備えていただければと思います。
本記事の目的:
本記事は、主に香港へ進出されている、またはこれから香港進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、香港での経営活動や今後の香港ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。
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