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中国GDP:2023年度GDP成長目標を達成すると予測も、長期的な安定にはまだ対策が必要

  • 公開日 2023.10.13 | 中国

 

この記事のハイライト:

  • 中国社会科学院経済研究所は、第4四半期の中国経済は5.1%成長すると見ている。
  • しかし、来年の中国経済の安定的かつ健全な発展を確保するためには、景気刺激策を実施する必要があると警告している。

 

 

中国第4四半期の国内総生産(GDP)成長率を5.1%と予測

政府系大手シンクタンクは中国第4四半期の国内総生産(GDP)成長率を5.1%と予測し、2023年の経済目標を達成する見込みとしているが、長期的な安定を確保するためには、より強力な景気循環政策が依然として必要であるとしている。

 

中国社会科学院経済研究所(CASS)は、中国の第3四半期の成長率は前年同期比の4.6%増となり、第2四半期の6.3%増を下回ると予測した。

 

また、当期の経済成長の大部分は、活況を呈するサービス部門が牽引することになるが、その一方で、国内外における新たな課題も浮上している、と報告書で述べている。

 

 

中国経済は現在、サービス業の回復に追い風が吹いている。

中国社会科学院

 

 

 

製造業の需要減少とサービス業の回復

中国経済は現在、製造業製品に対する世界的な需要の減少はしているものの、9月の製造業活動が6ヶ月ぶりに拡大しこの勢いは第4四半期も続くだろうとし、またサービス業の回復という追い風が吹いているため、2023年下半期はこの景気回復により、2023年度の経済成長率は5.1%を確保し、成長目標であった5%前後を達成する、という見込みとなっている。

 

しかし、不動産市場の低迷、債務超過に陥った地方政府、輸出の見通しが暗い民間セクターなど、経済は依然として低迷しており、また信頼を損ない続けているため、現在は景気減速の渦中にあるといえる。

 

中国は10月第3週において、第3四半期のGDPデータと9月の小売売上高、そして鉱工業生産データを発表する予定だ。

 

 

 

また、世界経済の回復が低迷を続ければ海外需要の改善は難しく、サービス業の回復の勢いは来年には弱まる可能性があるかもしれない、と報告書は付け加えている。

 

 

 

2023年下半期は上方修正・2024年度は低迷か

「景気刺激策を2023年末から来年初めにかけて実施することができれば、比較的長期にわたる持続的な成長が見込まれ、安定した雇用という目標の達成につながるだろう。」

 

成長促進のための大規模な景気刺激策を理由とした、中国社会科学院経済研究所の明るい見通しは、多くの国際投資銀行とは対照的で、その見通しには依然として疑念が抱かれる。

 

中国の16〜24歳の失業率は6月に21%を超えたが、政府は「調査統計のさらなる改善と最適化」に時間をかける必要があるとして、8月にデータの公表を中止した。また北京を拠点とするシンクタンクは、若者の失業率は7月にピークを迎え、8月以降は安定し始めるはずだと述べている。

 

 

来年の中国経済の安定的かつ健全な発展を確保するために、事前に政策を積極的に実施する必要性が高まっている

中国社会科学院

 

 

しかしがら、8月の経済指標に改善の兆しが見られたことを受け、中国の経済成長率の予測を上方修正する国際投資銀行が増え始めた。

 

9月にJPモルガンとANZ(オーストラリア・ニュージーランド銀行)は、2023年の予測をそれぞれ5%と5.1%に引き上げた。またハンセン銀行も先週、2023年の予測は5.3%のままであると発表、そしてUBSも中国の第3四半期GDPの連続成長率は安定した可能性が高いと述べた。

 

さらに、みずほ証券のエコノミストは、中国の製造業活動が9月に6ヵ月ぶりに回復したことを受け、この勢いは第4四半期も続き、中国は通年の成長目標を達成できるだろうと述べた。

 

ただUBSインベストメント・リサーチのシニア・チャイナ・エコノミストは、安定した鉱工業生産の伸びと小売売上高の回復にもかかわらず、不動産販売と投資の低迷が続くと述べた。

 

先週、世界銀行は2023年の経済成長率予測を5.1%に据え置いたが、来年の予測は4.4%と0.4ポイント引き下げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【参照記事】

China GDP: economy predicted to hit 2023 growth target, but action still needed to ensure long-term stability

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本記事の目的:

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