南沙、ヘルスケア事業のさらなる発展に向けた新プランを発表【大湾区情報レター Vol.68】
- 公開日 2023.10.11 | 大湾区(グレーターベイエリア)情報
「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。
「広州市南沙区ヘルスケア事業発展第14次5カ年計画」(以下、「計画」)が、南沙区委員会と区政府により承認の上、正式に発表されました。
計画では、2025年までに、社会経済の発展レベルと住民の健康ニーズに見合った、質の高い効率的でバランスの取れた、総合的な医療サービスシステムを確立し、誰もが基本的な医療・保健サービスを受けられるようにすること、医療サービスの強い影響力とハイエンドの医療産業とヘルスケア産業を確立すること、世界に向けて、広東省、香港、マカオの包括的な協力の下、南沙のヘルスケア事業の主要な仕組みを形成することを提案しています。
南沙区に広州市のヘルスケア「デュアルコア」センター
計画の期間中、南沙区は大湾区ヘルスケアセンターの建設を模索し、積極的に広州市の中心都市部分以外のもう1つのセンターとなるよう促進し、国際的に一定の国際的影響力を持つ重症・難病診断治療センター、医療科学技術イノベーションセンター、臨床医療人材育成の主要基地を建設し、国内をリードできる国際的に有名な一流の医療センターを多数建設し、重病、難病の診断と治療のレベルを向上させ、複数のハイレベルな病院において国家医学センター及び国家地域医療センターの設立を促進します。
広東省中医薬学院の建設加速
中医薬の建設に関しては、計画では2025年までに、大湾区における中医薬の共同発展・共有のためのメカニズムを基本的に確立し、ハイレベルの中医薬病院、中医薬専門病院、国家地域中医薬医療センターを大湾区に多く建設し、優位性及び特徴を持った強力なサービス機能を備えた中医薬人材育成基地を備えた、国際レベルの中医薬の科学技術イノベーションプラットフォームを多数創設することを提案しています。
注目に値するのは、計画では、広東省中医薬科学院の建設を加速し、初の中医学分野における、省・政府部門が共同で国家中医薬重点実験室などのプラットフォームの建設を推進し、中医薬の基礎理論、主要疾病、薬効評価、院内医薬品の開発などの研究を行い、中医薬の成果移転を促進することも提案していることです。
香港・マカオの漢方医の南沙での開業を促進
計画では、期間中に南沙区が質の高い資源の供給を積極的に増加させ、香港及びマカオと協力の上で国際的ヘルスケア産業を構築し、国家級ヘルスツーリズム実証基地の建設を加速させることを提案しています。とりわけ、南沙区は民間の力による多段階・多様な医療サービスの提供を奨励・支援し、総合診療、中医学、ホスピスケアなど、資源に制約のあるサービス分野の発展を支援し、民間による非営利医療機関の設立を奨励し、規定に従って香港・マカオの医療サービスプロバイターによる全額出資・合弁企業による医療機関の設立を支援し、香港スタイルの民間医療機関を導入・育成します。
計画ではまた、南沙区の公的医療機関における香港、マカオの漢方医の診療を促進すること、香港、マカオの若い世代が大湾区で開業、ビジネスを始めることを誘致することにも具体的に言及しています。
同時に、ヘルスツーリズム産業開発・建設プラットフォーム、中医薬特化産業発展プラットフォーム、医薬産業研究開発・インキュベーションプラットフォーム、国際ヘルスツーリズム学術交流プラットフォーム、クルーズ船・ヨットなどのヘルスツーリズム産業融合プラットフォームなど5つのヘルスツーリズム産業を統合させたプラットフォームを積極的に構築し、重点産業園区の配置、一流企業の誘致、高品質のヘルスツーリズムブランドの構築及びその他のヘルスツーリズム産業セグメントに力を入れ、ハイエンド医療サービス、特化した専門サービスを統合的に発展させ、ツーリズム実証区を設置し、南沙区の特色ある保健医療産業の育成を行います。
*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。
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本記事の目的:
本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。
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