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【香港】暗号通貨取引プラットフォームのJPEX、香港史上最大の詐欺事件

  • 公開日 2023.09.22 | 香港

 

暗号通貨取引プラットフォームのJPEXによる詐欺事件は、警察発表によると9/18月曜日の夕方までに1,641人の投資家から苦情があり、推定約12億香港ドルの資産が絡んでいるとされ、これまでに詐欺容疑で8人が逮捕された。

 

 

暗号通貨詐欺による被害額は12億香港ドル(約227億円)

香港の暗号通貨詐欺の被害額は12億香港ドルに上り、1600人以上の投資家が関与した香港史上最大の金融詐欺事件となった。

 

香港政府は、世界的な金融センターである香港を仮想資産においてもハブとしようとする狙いの中で、今回の事件は香港の個人投資家に対するリスクとして露呈した形となった。

 

香港警察は9/19、香港の証券監視局との共同記者会見で、9/18午後10時30分の時点で、1,641人の投資家から当事件に関する訴えを受けており、その中で最大の被害額は4,000万香港ドルで、総額が11億9,000万香港ドルの資産に関与していると述べた。

 

新たな仮想資産規制の枠組みが施行されてから3カ月余りで起きたこの事件は、投資家保護とフィンテックのハブを目指す香港の野心との間で、急成長する暗号通貨の世界に対応する香港の能力を試す大きな試金石となった。

 

警察はJPEXでの詐欺の容疑でこれまでに8人を逮捕し、1,500万香港ドルの銀行口座を凍結、4,400万香港ドルの不動産3件を押収したという。

 

 

 

被害者の多くは暗号通貨に対する理解が乏しかった

被害額と被害者の数において香港史上最大の金融詐欺事件であるこの事件は、被害者であった個人投資家のほとんどが、投資商品そのものについて全く理解しておらず、経験が浅い暗号通貨投資家がであったとされており、投資家達はJPEXが謳う保証された高利回りという魅力に騙されたようだ。

 

先週、香港の証券先物委員会(SFC)が、JPEXはSFCの認可が下りていない暗号通貨プラットフォームであり、香港のルールに準拠しているなどといった虚偽の主張をしているとし、JPEXの利用に対して公開警告を発したことを端に今回の騒動へと発展している。

 

SFCによると、同社はSNSのインフルエンサーやKOLを通じて香港市民へ積極的に商品を宣伝し、JPEXが香港で暗号通貨取引プラットフォームのライセンスを申請しているとの誤った情報を流したという。

 

SFCのフィンテック部門の責任者の一人によると、同社は先週警告を受けるまで一度も規制当局と接触したことがなかったという。

 

 

 

大々的な宣伝効果により惑わされたか!?

2021年に設立されたJPEXは、香港の中心地や繁華街で大々的に広告を出しており、さらに今年2月のプレスリリースで、市内の地下鉄の駅やバス、ビルボードなど、広告に4,000万香港ドルを費やしたと発表している。

 

加えて同社は、シンガポールで開催される世界最大級の暗号通貨会議「Token2049」のプラチナスポンサーになるために7万米ドルをも支払っている。

 

香港大学法学部の研究施設の責任者は、「Token2049」のようなイベント主催者が、JPEXを主要スポンサーとして受け入れたことも今回の失態に直面している原因の一つであり、Web3分野におけるリスクの高まりを浮き彫りにしていると述べた。

 

また、香港フィンテック・ウィークのような業界イベントが増えるにつれ、Web3セクターの潜在的なスポンサーについては、これまで以上にデューデリジェンスを実施する必要性があり、特に(そのイベントが)政府支援を受けている場合は、イベント主催者の頭をよぎるかもしれないと述べた。

 

 

 

香港で承認されている暗号通貨取引所

香港はここ最近、暗号通貨産業を安全に発展させ、当分野の世界的なハブとなることを目指しており、中央集権的な取引所に対するライセンス制度の義務化を通じて、不安定な暗号通貨分野の規制を開始していたところであった。

 

今年6月に施行された新たな規制の枠組みは、合法的に香港の個人投資家達にサービスを提供するため規則遵守のために実施された変更で、すでに設立されている大きな取引所に対し、当規制に順守するためライセンスを申請する必要があり、その申請するための準備期間として1年間を与えている。

 

SFCは今のところ、この申請においてOSLとHashkeyの2つの暗号通貨取引所しか承認していないため、OSLとHashkeyが、プロ投資家に仮想資産取引サービスを提供するためのライセンスを当局から取得した唯一の国内取引所である。両社は先月、既存のライセンスをアップグレードし、個人投資家へのサービス提供も可能にしたと発表した。

 

 

 

暗号通貨取引のリスク管理

SFCは、この分野におけるリスクの高まりに直面し、投資家教育への取り組みを年々強化してきたと述べた。

 

2022年7月にJPEXについて初めて警告を発して以来、SFCは投資家・金融教育委員会を通じて9回の警告を発し、規制されていない暗号通貨取引所や海外の暗号通貨取引所への投資に伴うリスクに注意するよう注意喚起を行ってきた。

 

SFCは、「企業のライセンス取得状況についてもっと透明性を高めるべきではないか」との質問に対し、ライセンス申請中の企業のリストを公表することは「誤った安心感」を与え、すべての企 業がすでに現地の制度に完全に準拠していると思わせてしまうので できないと答え、また、何社がライセンスを申請し、あるいは却下されたかを公表することもできないと述べた。

 

大和証券キャピタルのアナリストによると、JPEXに対する香港の規制当局の取り締まりは、暗号通貨セクターにおける香港で最も注目された取締りの一つであり、過剰に広告宣伝するような違法業者を鎮静化させ、ライセンスを持つ企業にとってプラスに働く可能性があるとしている。

 

 

 

 

警察は20日、捜査が続くなか、さらなる逮捕者が出る可能性も否定できないと述べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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本記事の目的:

本記事は、主に香港へ進出されている、またはこれから香港進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、香港での経営活動や今後の香港ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

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