香港、自動運転車両のシェアリング推進 汀九橋南行路肩を車線化【大湾区情報レター Vol.64】
- 公開日 2023.08.1 | 大湾区(グレーターベイエリア)情報
「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。
運輸署(Transport Department)傘下の運輸及物流局(Transport and Logistics Bureau)は7月10日、「交通運輸に関する戦略的研究」の進捗状況を公開し、今後の交通渋滞の改善とサービス向上に向け、次世代交通インターチェンジ・ハブの建設、需要主導型の公共交通サービスモデルの導入、自動運転車両のシェアリング推進、既存高速道路の路肩の恒久的車線化など、4つの新たな方向性が提案されました。
運輸署は2021年末に交通運輸に関する戦略的研究をスタートしました。初期分析の結果、政府は香港の交通政策は公共交通機関の重視、大湾区における通勤時間一時間圏の改善、及びスマート交通の発展を目標とすべきと考えています。これら3つの目標を達成するため、政府は「次世代の交通インターチェンジ・ハブの構築」「『オンデマンド公共交通サービスモデル』の導入」「自動運転車両の開発推進」、「スマート高速道路管理活用への邁進」の4つの新しい交通戦略コンセプトを提案しています。
次世代インターチェンジ・ハブとは、主要インターチェンジに多機能施設を整備し市民のニーズに応えるとともに、パーク・アンド・ライドを通じてドライバーに公共交通機関の利用を促し、車両通行量を削減することを目指します。運輸及物流局は、計画中のMTR洪水橋(Hung Shui Kiu)駅と香港深圳西部鉄路一帯を次世代の交通インターチェンジ・ハブとして開発し、クロスボーダー及びローカルの公共交通サービスやパーク・アンド・ライドを配合することで、香港-深圳間の「一時間通勤圏」のカバー範囲を拡大する予定です。また、もう1つの新しいインターチェンジ・ハブは、交椅洲(Kau Yi Chau)人工島に計画しています。
同時に、運輸及物流局は、上記2つのインターチェンジ・ハブにおいて「需要主導型」の公共交通サービスモデルを試験的に導入する予定です。このモデルでは、乗客が携帯電話のアプリを通じて非ピーク時間帯の移動を希望すると、バスやミニバスの運行会社がその需要に応じてリアルタイムで運行ダイヤを調整し、運行会社がサービスの質を高めることができると同時に、運行コストをより容易にコントロールできるようにします。
自動運転車の発展促進について「交通運輸に関する戦略的研究」では、香港が自動運転車のシェアリングを主な方向性とし、自動運転車のシェアリングによる移動を一般市民に奨励し、長期的には中国本土と香港間の走行モードの統合と交通交流を促進するよう提言しています。
「スマート高速道路」に関しては、政府はIoT、ビッグデータ、AI等を通じてスマート高速道路を構築し、交通管制監視システムの強化により、高速道路の容量と処理能力が緩和されます。例えば、必要に応じて路肩を車線へ開放したり、リバーシブルレーンを設けたりすることができます。将来の11号線の青龍大橋と交椅洲人工島への接続道路にはスマート高速道路が採用される予定です。さらに、汀九橋南行道路は、交通渋滞緩和のため、既存の路肩を恒久的に車線化するスマート高速道路パイロットスキームが実施されます。
【参考資料】
・「香港、自動運転車両のシェアリング推進 汀九橋南行路肩を車線化
(HKET 2023年7月11日)
*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。
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本記事の目的:
本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。
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