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【中国労務】有給の傷病休暇期間(停工留薪期)に関するよくある質問集

 

最近、弊社へクライアントから”中国の労災”に関するお問い合わせが増えております。その中でも特に有給傷病休暇期間(停工留薪期)に関するお問い合わせが多かったため、今回はQ&A形式でご紹介いたします。

 

 

 

Q. 「停工留薪期」とは?

 

A. 「停工留薪期」とは、業務において従業員が事故、傷害、職業病となり労災の適用を受け、治療のために一時的に仕事を中断する必要のある期間であり、この期間において、雇用主は引き続き本来の賃金や手当、そして福利待遇を当該従業員へ支払う必要があります。(そのため、有給の傷病休暇期間であるといえます。)

 

<労災保険条例>第三十三条の規定によると、停工留薪期は原則として12ヶ月を超えないものとされています。

負傷が重傷である場合や特別な事情がある場合は、管轄の市町村の労働能力鑑定委員会の確認を得たうえで、期間を延長することができますが、延長期間においても12ヶ月を超えないものとされています。

 

 

 

Q. 停工留薪期間中、従業員が働かないため、雇用主は賃金の支払いを拒否できますか?

 

A. <労災保険条例>の規定によると、停工留薪期間中、雇用主は引き続き本来の賃金や手当、そして福利待遇を月ごとに払うものとされていますので、労災の適用を受けた従業員が働かなかったとしても、雇用主は、賃金の支払いを拒否することはできません。

 

 

 

Q. 停工留薪期間の待遇について、雇用主と従業員の間で争いが発生した場合、どうしたらよいでしょうか?

 

A.<労災保険条例>の第五十四条の規定によると、労災待遇に関する争いが雇用主と従業員の間で発生した場合、労働争議処理に関する規定に従い、処理するものとしています。

 

 

また<労働争議調停仲裁法>第五条の規定によると、

 

① 労働紛争が発生し、当事者が交渉したくない、または交渉により合意に至らなかった、もしくは和解した後に履行しなかった場合、調停機関に調停を申請することができる。

② 調停に応じない、または調停により合意に至らなかった、もしくは和解した後に履行しなかった場合、労働争議仲裁委員会に仲裁を申請できる。

③ 仲裁機関による裁決を不服とする場合、本法に他の規定があることを除き、人民裁判所へ提訴することができる。

 

 

 

Q. 停工留薪期間中、雇用主は一方的に労働契約を解除できますか?

 

A.<労働契約法>第四十二条の規定によると、従業員が業務上の職業病にかかる、または業務上負傷をし、労働能力を喪失または一部喪失したことが確認された場合、雇用主は当法の第四十条、第四十一条の規定に従い、労働契約を解除してはいけません。

 

従い、停工留薪期間中、雇用主は労働契約を解除または終了できません。

 

 

 

Q. 停工留薪期間後に従業員が出勤しない場合、雇用主は欠勤として扱うことができますか?

 

A.まず雇用主は、労災の適用を受けた従業員の停工留薪期が実際に満期を迎えたかどうか、または停工留薪期間の延長や再計算するような事情がないかどうかを確認する必要があります。

 

次に、上記のような状況が存在せず、停工留薪期間が満期となっている場合、雇用主は、労働能力鑑定を受けるよう従業員に通知する必要があります。従業員が労働能力鑑定を受けることを拒否した場合、その従業員は労災保険給付を受けることができなります。

 

最後に、労働能力鑑定を受けるよう協力することは、労災の適用を受けた従業員の権利であり義務でもあります。停工留薪期間が満期となり、従業員が、労働能力鑑定を拒否した場合、労働能力の喪失または一部喪失の判断ができず、<労働契約法>第四十二条に規定された”労働関係を解除できない状況”に属さないため、雇用主は、欠勤として扱うことが可能です。(その他関連規定に抵触していないことを前提として。)

 

 

 

Q. 停工留薪期間後まだ完治していない場合、治療などの労災待遇を引き続き享受できますか?

 

A. <労災保険条例>の第三十条及び第三十三条の関連規定に従い、停工留薪期間が満期となったとしても、労災の適用を受けた従業員が引き続き治療を受ける必要がある場合、労災医療待遇を継続して享受することができます。

 

 

 

 

 

 

 

Aobaグループには中国の労務に関して経験豊富な弁護士が多数在籍していますので、何かご懸念点があれば、いつでもお問い合わせください

 

 

 

 

 

 

 

 

【参考資料のリンク】

你了解停工留薪期吗?(人力資源及び社会保障部)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本記事の目的:

本記事は、主に香港へ進出されている、またはこれから香港進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、香港での経営活動や今後の香港ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

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