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12のグローバル海底ケーブルシステムが香港に 香港がアジア太平洋のビッグデータハブになりうるその理由【大湾区情報レター Vol.61】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。

 

 

 5月29日、広東省韶関市で第2回大湾区(広東)コンピューティング産業大会と第1回中国コンピューティング・ネットワーク大会が開幕しました。香港はアジア太平洋地域の金融、国際貿易、物流のハブであるだけでなく、世界中の多くの組織の地域事務所や地域本部が設置されており、安全、安心、信頼性の高いデータセンター施設やサービスへの強い需要から、香港はビッグデータの地域ハブとなっています。

 大会では、香港のデータ産業代表者が大湾区の同業者と深い交流を行い、コンピューティングがどのようにさまざまな産業のデジタル化を促進し、さまざまな地域の利点を調整して技術革新と開発を共同で構築できるかについて議論しました。

 

 午後には、新意網集団有限公司(SUNeVision Holdings)のビジネス開発(大中華地区)担当副社長ココ・チェン氏が、「広東、香港、マカオのコンピューティング産業の共同開発」というサブフォーラムで「香港におけるデータセンターのレイアウトとサービスのトレンド」というテーマの基調講演を行いました。チェン氏は、現在、世界のインターネット・トラフィックの95%以上が海底光ファイバー・ケーブルによる伝送に依存していることを紹介しました。クラウド・コンピューティングの発展やスマートデバイスの増加により、世界の海底光ファイバー・ケーブル・システムの需要はさらに高まっています。

 

 サブマリン・ネットワークス(Submarine Networks)が提供する最新情報によると、香港は世界12の海底ケーブル・システムに接続しており、近い将来新たに3つの海底ケーブル・システムが香港に上陸する予定で、アジア太平洋地域における通信およびインターネットのハブとしての香港の地位はさらに強化されると考えられます。

 

 チェン氏は、クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(Cushman & Wakefield)の最新の年次レポート「世界データセンター市場レポート2023年版」によると、香港は世界のデータセンター市場の上位に位置し、世界第4位、アジア太平洋地域では第2位であると述べています。香港には現在約60のデータセンターがあり、総床面積は860万平方フィート以上と世界最大級のデータセンターの1つとなっています。また、今後3年間で750万平方フィート以上の新規データセンターが増設される予定で、既存のデータセンタースペースと合わせた利用可能床面積は1,600万平方フィートとなり、短期需要には十分で、政府は中長期需要に対応した新規土地供給の拡大を検討していると述べました。

 

 また、チェン氏は香港ならではの利点について「香港は中国本土に近く、アジア戦略の中心に位置し、市場の需要により世界中の多くの海底ケーブルが香港に接続され、ネットワークノード(ネットワークの接点)が設置されています。従って、香港は長年にわたり、アジア太平洋地域の金融、国際貿易、物流のハブであるだけでなく、ビッグデータが集まる地域でもあります。統計によると、世界のトップ100銀行、金融機関、大手企業の70%以上が香港に地域本部を構えています。これらの組織は、安全で信頼性の高いデータセンター施設を強く求めているのです」と触れています。

 

 イノベーションとテクノロジーの発展に関しては、香港政府は昨年末「イノベーションとテクノロジー発展のための香港ブループリント」を発表し、今後5年から10年の香港のイノベーションとテクノロジー発展のための明確な発展経路と体系的な戦略計画を策定、香港がイノベーションとテクノロジーの国際的な中心地になるというビジョンを実現するよう導いています。

 

 ブループリントでは、「イノベーションとテクノロジーのエコシステムを改善し、香港の『新型産業化』を促進する」「イノベーションとテクノロジーの人材プールを強化し、発展の勢いを高める」「デジタル経済の発展を促進し、スマート香港を構築する」「中国全体の発展に積極的に溶け込み、本土と世界をつなぐ架け橋となる」といった香港のイノベーションやテクノロジー発展の4つの方向性を明らかにしています。

 

 大会にて登壇した香港生産力促進局(Hong Kong Productivity Council、以下「HKPC」)のグリーンリビング&イノベーション部総経理の都永海氏は、「新型産業化」の核心は、高度な技術、高度なインテリジェンス、デジタル機能を備え、イノベーションと創造性にあると指摘し、同時に持続可能な発展を十分に考慮する必要もあり、「HKPCは、企業向けにスマート生産ラインソリューションを提供し、二酸化炭素排出量を削減しながら生産性を向上させるなど、デジタル変革サービスを提供することを力入れています」と述べ、その一方で、HKPCは企業の政府資金援助スキームへの申請も支援しており、2022年の政府資金援助スキームの申請件数は19,000件を超え、承認済申請に関わる政府援助金総額は約33億香港ドルに達し、企業への資金援助をより多く確保できると説明しました。

 

 

 

 

【参考資料】

・12のグローバル海底ケーブルシステムが香港に 香港がアジア太平洋のビッグデータハブになりうるその理由

 

 

 

 

 

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

 

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本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

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