【香港】オフショア(国外源泉)受動所得申告フォームの提出が2023年4月1日より開始
以前お伝えいたしました「【香港】オフショア受動所得に対する免除制度の改正法案」に関連して、2023年4月1日より、企業は「特定国外源泉所得」が発生した場合、法人税を申告する際に補助申告フォームである「特定国外源泉所得に関する課税フォーム(IR1478)」を、一緒に提出しなければならなくなりました。
そこで今回はこの「特定国外源泉所得に関する課税フォーム(IR1478)」について解説させていただきます。
Contents
特定国外源泉所得とは
“特定外国源泉所得 “とは、香港以外の地域で発生する、または香港以外の地域から派生する利息、配当、株式譲渡益または知的財産権所得を意味します。
対象となる企業とは
多国籍企業(“Multinational Enterprise”、以下「MNE」)グループの構成事業体で、”特定国外源泉所得”が発生した(課税の有無にかかわらず)企業。
申告するタイミングについて
①”特定国外源泉所得”が発生した会計年度:
課税の有無にかかわらず、”特定国外源泉所得”が発生した会計年度(未収計上で認識)において法人税申告書と一緒に「特定国外源泉所得に関する課税フォーム(IR1478)」を提出します。
②”特定国外源泉所得”を受領した会計年度:
上記にて申告した所得が、課税対象となる場合は、同じ所得であったとしても、未収計上した所得を受け取った会計年度において法人税申告書と一緒に2回目の申告が必要となります。
(※1回目申告時に非課税対象と判定された所得を受け取った際は2回目の申告は不要。
※1回目申告した会計年度と同じ年度に所得を受領している場合も不要。)
当該年度において法人税申告書が発行されていない企業については、特定国外源泉所得を受け取り、且つその金額が課税される場合においてのみ、当該所得を受け取った年度の決算日後4ヶ月以内に、その旨を香港税務局へ書面で通知することが義務付けられています。(法人税申告書を発行してもらうため。)
課税されるタイミングについて
特定国外源泉所得が発生した年度(未収計上)と、実際に受領した年度では、上記の通り課税対象となった場合は、2回申告する必要がありますが、実際課税される年度は発生年度(未収計上)ではなく受領した年度となります。
申告フォームへの記載内容について
この”特定国外源泉所得”が課税対象となるか否かの判断基準の一つとして、対象企業が、
-経済的実体の要件を満たさない(国外源泉の配当、利息、処分益の場合)、
-資本参加免除制度の要件を満たさない (国外源泉の配当所得もしくは処分益の場合)、
-もしくはネクサスアプローチの要件を満たさない(国外源泉の知的財産所得の場合)
かどうかを査定する必要があるため、経済的実体要件、資本参加免除要件、ネクサスアプローチの要件に関連する情報を当申告書に記入して報告します。
課税対象となる企業や所得について詳しくは、以前公開した記事「【香港】オフショア受動所得に対する免除制度の改正法案」をご覧ください。
この新しい申告フォームの作成を含めた、法人税申告に関するサポートも弊社にて行っておりますので、もしもご相談がありましたら一度お問い合わせください。
本記事の目的:
本記事は、主に香港へ進出されている、またはこれから香港進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、香港での経営活動や今後の香港ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。
免責事項:
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本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
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