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グローバルユニコーンランキング発表 大湾区から63社がランクイン【大湾区情報レター Vol.58】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。


 

 

 

 4月18日、広州市黄浦区で開催された「2023年グローバルユニコーン企業CEO大会」で、著名ランキング公表機関、胡潤研究院が「2023年グローバルユニコーン企業ランキング」(以下、「当ランキング」)を発表、大湾区のユニコーン63社がランクインし、広州市はこの1年で最もユニコーン企業の数が増えた中国の都市となりました。

 

世界トップ10のうち2社が大湾区企業

 

 グローバルユニコーン企業とは、10億米ドル以上の価値を持つ未上場企業を指しています。

 当ランキングによると、世界のユニコーン企業の数は1,361社にも達していることが明らかになり、その数は前年より303社増加し、29%増となりました。

 

 胡潤百富(Hurun Report)董事長及びチーフ・リサーチ・オフィサーであるルパート・フーゲワーフ氏は講演の中で「大湾区のユニコーン企業数は、一国であるインドのユニコーン企業数に匹敵する」と述べました。一方、広州市は、この一年間でユニコーン企業数が最も急速に増加した中国の都市であり、前年より12社多い22社となり、イスラエルやフランスといった一国のユニコーン企業数に匹敵しています。

 

 当ランキングの上位10社のうち、5社が中国の企業となっています。バイトダンス(ByteDance)は引き続き1兆3,800億人民元と世界で最も価値の高いユニコーン企業であり、残りの4社はアントグループ(Ant Group)、シーイン(Shein)、微衆銀行(WeBank)、菜鳥(Cainiao Smart Logistics Network)です。

 

 その中で、広州のファストファッションEコマース企業であるシーインと、深圳のデジタル銀行である微衆銀行は、共に初めてトップ10にランクインしました。シーインは、1年間で3,100億人民元の企業価値上昇を達成し、世界最大の価値上昇を遂げたユニコーン企業でもあります。

 

 中国には、京東科技(JDT)、滴滴出行(DiDi)、小紅書等、評価額が1,000億人民元を超える12社のユニコーン企業があります。その中で、OPPO、vivo、DJI、アイオン(AION)など6社は大湾区にあり、家電製品、ロボット、新エネルギー車などの分野をカバーしています。都市別では、深圳が6位、広州が8位となり、いずれもグローバルユニコーン企業本社数トップ10にランクインしています。

 

最もユニコーン企業が集まるフィンテック産業

 

 当ランキングでは、米国が前年より179社多い666社でトップ、中国が前年より15社増の316社で2位、以下にインド(68社)、英国(49社)、ドイツ(36社)と続きました。価値総額では、中国のユニコーン企業は9兆人民元で、世界全体の30%を占めています。

 

 フーゲワーフ氏によると、ユニコーン企業は、新しい経済の風向きを象徴しており、将来、経済発展においてどのように新たなチャンスを持つかを見て予測するのに適した参考指標であると述べました。

 

 では、ユニコーン企業は主にどの業界に属しているでしょうか。当ランキングによると、171社のユニコーン企業がランクインしているフィンテックが世界的に最もユニコーンが多い業界であり、ソフトウェアサービス、Eコマース、人工知能がそれに続きます。ユニコーン企業の数を見ると、フィンテック、エンタープライズサービス、ブロックチェーン、ロジスティクス、サイバーセキュリティ、人工知能が急成長している分野であることがわかります。

 

 強力な産業基盤、積極的な振興政策、良好なビジネス環境などを背景に、広東省の多くの場所では、近年、ユニコーン企業が活躍するための環境を積極的に構築しています。広州市を例に挙げると、シーイン、アイオン、小馬智行(Pony.ai)、文遠知行(WeRide)、多益網路(Duoyi Network)などがあり、Eコマース、新エネルギー、人工知能、半導体などの新興分野をカバーしています。広州ユニコーン企業の多くは新エネルギー関連企業であり、アイオン、国鴻氢能(Sinosynergy)、奥動新能源(Aulton New Energy)、巨湾技研(Greater Bay Technology)などが含まれています。

 

 広州市商務局の責任者によると、今年、広州市は500億人民元のイノベーション投資マザーファンドを開始し、初期、小規模、サイエンステクノロジー、イノベーションへの投資に力を入れています。また、人材と成果転換のプロジェクトファンド、エンジェル投資、シード投資の特別基金が設立され、ユニコーン企業の技術開発及び成果の転換に、より有利な資本支援と人材のエンパワーメントを提供します。

 

 

 

【参考資料】

・グローバルユニコーンランキング発表 大湾区から63社がランクイン

 

 

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

 

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本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

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