香港オクトパスカードが中国の一卡通ネットワークに加入 中国本土300以上の都市で利用可能に【大湾区情報レター Vol.57】
- 公開日 2023.04.18 | 大湾区(グレーターベイエリア)情報
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3月8日、香港オクトパス(八達通)の非常勤会長である楊美珍氏は、オクトパスカードがまもなく中国大陸における全国的なネットワーク、「一卡通」に加入し、同社は2023年第2四半期において新たなカードとなる「八達通-全国通」をリリースすることを明らかにしました。1枚のカードで、全国320以上の都市の地下鉄やバスを利用することができ、香港市民の中国本土での移動がより便利になります。
「八達通-全国通」のリリースに先駆け、香港オクトパスは、早くもオクトパスアプリを通じて「八達通銀聯カード」(Octopus UnionPay Card)を展開しました。八達通銀聯カードにはUnionPay QRコード決済機能が含まれており、中国全国3,000万ヶ所の消費ポイントにおいてQRコードを読み取り決済をすることができます。
UnionPayのQRコードによる決済のため、中国本土だけではなく、海外、例えば日本、韓国にて、レジにUnionPayのQRコード表示があれば、八達通のアプリを立ち上げ、QRコードを読み取るだけで支払ができます。ユーザーはオクトパスに中国本土の携帯電話番号や銀行口座と結びつける必要はなく、申請手続きは迅速かつ簡単なものとなっています。楊美珍氏は、同機能の利用は香港中国間の往来再開後5倍に増え、申請者の数が徐々に増えていると述べました。
八達通銀聯カードとは別に、オクトパスは最近、中国銀行と提携しデジタル人民元カードをリリースしており、デジタル人民元は今後の大きなトレンドとなり、市民に新たな選択肢を提供することになるだろうと楊美珍氏は述べています。
深圳に入ると、香港市民はオクトパスアプリを使って、セルフサービスのカード発行機でデジタル人民元カードを簡単に購入、本土での買い物に利用することができます(オクトパスカードでの対応は後日追加予定)。特に、深圳市羅湖区内のデジタル人民元カード対応加盟店で利用すると、羅湖区政府から20%の支出補助(1人200人民元まで)を受け取ることができます。支払いの過程においては携帯電話やネットワークを使う必要はありません。
より多くの香港市民に深圳で消費してもらい、景気回復の活力を注入するため、羅湖区政府は中国銀行と共同で、デジタル人民元の利点を生かし、香港市民に総額1,000万人民元のデジタル人民元消費補助を初めて提供しました。
デジタル人民元カードのセルフサービス型カード発行機が深圳で導入されるのは今回が初めてとなります。また、中国初のクロスボーダー向け消費クーポンの大規模な発行であるだけでなく、香港で主流の小額決済ツールと統合する初の試みでもあり、デジタル通貨クロスボーダーにおいての初めての試みとなります。今回のイベントは、大湾区経済の相互接続をさらに強化し、大湾区の革新的な活力を示すものでもあります。
また、香港の観光産業の回復に伴い、オクトパスは、観光客が香港到着後に実物のオクトパスの購入/申請の必要がない「ツーリストオクトパスアプリ」の提供を開始する等、観光客向けのサービスも積極的に展開しています。
【参考資料】
・香港オクトパスカードが中国の一卡通ネットワークに加入 中国本土300以上の都市で利用可能に
*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。
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本記事の目的:
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