【香港】コロナ規制撤廃後、「予想通り」コロナウイルス感染者が増加
ハイライト
- 最新の統計では、実効再生産数(以下、指標)*が2.07と昨年3月以降で最も高くなっているが、専門医は、死亡や重症例が少ない限り、心配する必要はないと述べている。
- 専門家は、免疫力の低下が繁殖数増加の一因であるとして、コロナとインフルエンザの予防接種を更新するよう市民に訴えている。
*注:実行再生産数=1人の感染者による二次感染者数で、現在流行が拡大期にあるのか収束に向かっているのかを評価する疫学指標の1つ。
コロナ規制撤廃後、感染者数増加
香港ではコロナ感染者数が再び増加しており、1人の患者が平均して2人以上にウイルスを感染させる可能性(予防措置がとられていないことを前提)があることが、最新の健康統計で明らかになりました。
香港大学が運営するコロナ症例追跡システムによると、市内症例の有効繁殖数(Rt/実行再生産数)は3月29日の1.09から30日に2.07に跳ね上がったとのこと。これは2022年3月上旬以来の高い繁殖数であり、新たな流行の兆しとなる可能性があるようです。
この事について、香港でコロナウイルス関連の死亡者が2名、そして新たな感染者数が112名となったことと一緒に4月9日に発表されました。
予想範囲内であり、まだ規制を導入する必要はない
香港政府のパンデミックアドバイザーであるデビッド教授は、マスク着用義務やその他のコロナ予防策が解除されてから1ヶ月経過した今日、以下のように述べました。
“これはマスク着用の中止と免疫力の低下によるもので、予想通りのことです。だからこそ、特にハイリスクグループの人々には、最後にワクチン接種または感染してから6ヵ月経過していれば、再度ワクチン接種を受けることを奨励しています。ただ日々の重症例や死亡例が少ない限り、ソーシャルディスタンスを再び導入する必要はない”
教授は、死亡者や重症患者の数が少ない限り、パニックになる必要はないと主張しており、また、マスク着用義務やその他の予防策を復活させる必要はないと付け加えています。
また香港大学の感染症専門家であり、同様に政府のパンデミックアドバイザーでもあるアイバン教授も、デビット教授の見解を支持しており、以下のように述べています。
”指標の上昇は、予想範囲内の変動です。また医療システムにはまったく負担がかからないため、心配することはありません。”
指標は、予防措置がとられていないことを前提に、1人の患者が感染させることができる平均的な人数で、数値が1より大きい場合は、感染した患者1人が平均1人以上に感染し続ける可能性があり、時間の経過とともに感染者数が増加する可能性があることを意味します。
また逆に、数値が1より小さい場合は、1人の感染者が1人未満に感染し続けることを意味し、感染する人の数が少なく、感染速度が遅くなったことを示唆し、状況が安定したことを意味します。
ワクチンの再接種と予防接種への呼びかけ
香港ではマスク着用の義務化が3月1日から廃止されましたが、病院、診療所、高齢者や障害者のためのケアハウスでは、訪問者に顔を覆うものを着用するよう要求される場合があります。
政府は、香港市民730万人のうち585万人が少なくとも3回の予防接種を受け、そのうち111万人が4回の接種を受けたと発表しています。
その一方で、健康保護センターは4月6日、季節性インフルエンザウイルスの1週間の検出率が、3月第1週の1%未満から、3月最終週(4月1日が最終日の週)には9.89%まで増加したとして、インフルエンザシーズン到来の警報を発令し、コロナワクチンの推奨接種回数を完了させ、インフルエンザの予防接種も受けるよう市民へ訴えています。
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本記事の目的:
本記事は、主に香港へ進出されている、またはこれから香港進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、香港での経営活動や今後の香港ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。
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