上海・深圳・香港ストックコネクト3月13日より拡大、香港ストックコネクトに外資企業組み入れ【大湾区情報レター Vol.56】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。

　香港証券取引所は、2023年3月13日より、中国本土と香港の株式市場における取引の相互接続スキーム（以下「相互接続」）における両地証券取引所が相互接続可能な対象株式銘柄をさらに拡大し、関連基準を満たす香港の主要外国上場企業の株式が香港ストックコネクトに含まれることになると発表しました。深圳証券取引所の最新発表によると、3月13日に中国本土側の資金を受け入れる外資企業は、サムソナイト、ロクシタン、ナガコープ、YANCOAL AUSTRALIA などが含まれています。 さらに、スタンダードチャータードグループも含まれています。

税務手続き上の事情によりルサール、プラダは対象外

　上海証券取引所及び深圳証券取引所が発表した最新の香港ストックコネクト対象銘柄リストには、ロシア系企業のルサール並びにイタリア系企業のプラダが含まれていません。

　深圳証券取引所は、個々の外資企業が、外国政府への金融取引税の支払いや、投資家への異なる税率での配当の必要性など、税金や企業行動の面で、既存の香港ストックコネクト銘柄とは異なる特別な要件を持つ場合がある、と説明しています。現在の市場の業務・技術システムにおいては、上記のような特別な取り決めに対応できないため、現在の深圳・香港ストックコネクト対象銘柄の拡大期間中においてはルサールとプラダの組み入れは保留される予定で、関係者たちは、これらの作業を迅速化するため引き続き懸命に取り組みます。

　ノースバウンド取引では、香港証券取引所は、上海証券取引所に上場している 598社の銘柄、深圳証券取引所に上場している 436社の銘柄をチャイナ・コネクト（中華通）証券リストに追加し、合計1,034社のA株が新たに追加となると発表しました。

　ハンセン指数サービス社が作成したハンセン外国企業総合指数によると、現在、国際企業の構成銘柄はプラダ、サムソナイト、ルサールなど12社の銘柄のみとなっています。ユニクロの親会社であるファーストリテイリングやマニュライフ・ファイナンシャルなど一部の構成銘柄は、香港にプライマリー上場していない、もしくは時価総額が50億香港ドル未満のため、当面は香港ストックコネクトには含まれない見込みです。

香港証券取引所：相互接続を大幅に強化した1年

　香港証券取引所グループの最高経営責任者欧冠昇氏は、今回ストックコネクトのノースバウンドとサウスバウンドの取引銘柄範囲が同時に拡大したことは、中国と香港の市場と大多数の投資家にとって朗報であり、相互接続の継続的な開発と強化における新たな重要なマイルストーンであり、香港証券取引所と本土のパートナーおよび両地の規制当局との緊密な協力と周到な準備の結果である、として以下のように述べました。

　「今年は相互接続を大幅に強化した1年であり、仕組みをさらに強化・拡大し、香港・本土市場の魅力を向上させ、中国と世界をつなぐために、市場のすべての関係者と協力していきます。今後数か月のうちに、さらに良いニュースをお届けできることを楽しみにしています」

【参考資料】

・上海・深圳・香港ストックコネクト3月13日より拡大、香港ストックコネクトに外資企業組み入れ（香港経済日報　3月3日）

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

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本記事の目的：

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

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