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香港人材誘致のためビザ申請を含めた入境スキームをオンラインで一本化 ~ビザ申請もより簡潔に~

香港特別行政区政府の政府統計処の人口統計調査によると、2022年中期の人口が前年同期比(2021年中期)で約11.3万人減(人口流入‐人口流出)となり、1997年記録開始以来、最も高い数値で人口が流出していることがわかりました。

 

このように、現在香港では香港外への「移民ブーム」が続いており、今回は香港政府がこの人材流出の問題へどのような対策を行っているかについてご紹介させていただきます。

 

 

 

深刻な労働人口流出問題

【参照元:政府統計処】

 

香港特別行政区行政長官ジョン・リー(李家超)氏は、2022年の施政報告において、過去2年間で香港は推定約14万人の労働力を失ったことを明らかにしました。労働福祉局(Labour and Welfare Bureau)局長クリス・サン(孫玉菡)氏は、その中で一番多く流出された年齢層は25歳~39歳で、約7万8,000人だとしています。また職業別では「アソシエイト・プロフェッショナル」*に属する人が約7万1,000人流出し、最も流出人数が多い職業であると述べました。

 

ただし、この流出した人の中には一時的な海外留学や海外での就労を目的としている人員も含まれているため、全ての人が純然たる海外移住を目的とした流出だけではないとしています。

 

 

*注記* アソシエイト・プロフェッショナルとは、科学技術員、看護師助産師、歯科助手などの医療サポート職、建築・測量・エンジニア、光学・電子機器制御士、航海士・航空管制官、小学校・幼稚園・保育園の校長・先生、統計アシスタント、コンピューターオペレーター、法律事務員、アーティスト、アスリートなどが含まれる。

 

 

「人材サービス窓口」が28日よりサービス開始

とはいえ、この流出が続いている状況に対し、如何に香港に人材を引き留め、また新しい人材を誘致していくかが香港政府の目下の課題となっています。

 

香港政府は、その対策の1つとして、「人材サービス窓口(Talents Service Unit)」というオンライン・プラットフォームを、今週水曜日(12月28日)から運用を開始しました。このオンラインプラットフォームは、海外にいる人材が香港へ移住するためのワンストップサービスを提供しています。

 

まず、香港で誘致している各種人材受け入れ制度の詳細や、香港の基本的な情報である「衣・食・住・交通」に関する情報など、幅広い実用的な情報にアクセスすることができます。そして興味のある募集人材があれば、このプラットフォームの“人材受入スキーム・マッチング・ツール”を使用して、対象となる香港への入境スキームを確認することができます。

 

そこから、このプラットフォームを通じて、移民局の「電子ビザ(E-Visa)」プラットフォームへ接続され、オンラインで即座にビザの申請、その後の支払いやビザの受け取りもオンラインで完結することができ、海外にいる人材が香港へ移住する際の手続きをオンラインで簡潔に行うことができるようになります。

 

当プラットフォームはそれだけではなく、海外各地に香港政府の「ビジネス・人材誘致チーム」のオフィスが設置されており、海外からの申請者が居住している最寄りのオフィスを案内することで、オンラインだけではなく、実際に対面または話すことにより、香港へ人材を積極的に誘致し、そして各種人材受入スキームを推進しています。

 

 

 

優秀人材パススキームも同日より実施

人材サービス窓口以外にも、“優秀人材パススキーム”が同日28日より申請受付を開始しました。優秀人材パススキームとは、事前に香港での雇用を確保する必要なく、以下の3つのカテゴリーのいずれかの条件を満たしていれば、24ヶ月間香港に滞在することができるというスキームです。

 

3つのカテゴリーの条件:

  • カテゴリーA:申請前の直近1年間の所得が、250万香港ドル以上(または外貨での相当額)
  • カテゴリーB:申請前の過去5年間に少なくとも3年間実務経験を持ち、かつ世界トップ100大学の学位取得者
  • カテゴリーC:申請前の過去5年間に世界トップ100大学を卒業しているが、実務経験が3年未満な場合、年間の割当上限を10,000人とし、先着順で割り当てられることを条件とする。

 

 

 

今後3年で毎年35,000人の人材流入を目標

人材サービス窓口を率いる政務司司長エリック・チャン(陳国基)氏は、「人材サービス窓口」など、人材を獲得するための新しい施策を実施し、香港へ人材を補充・充実させて、様々な人材受入スキームを通じて、2023年から2025年の間に、12ヶ月以上滞在する人材の流入が、合計35,000人以上見込まれているとしています。

 

香港政府は、「人材サービス窓口」が提供するサービスは今後オンラインだけではなく、人材誘致戦略の策定や広報活動、香港に来た人材へのサポートを更に充実させるために、実際にオフィスを構えることも検討しており、政府は来年早々、立法会財務委員会へ申請する予定です。

 

 

 

 

 

弊社では今までに数多くのビザ申請サポートを提供してきた経験と実績がございます。香港ビザの申請は世界中で比較的簡易とも言われておりますが、各種ビザの違い・それぞれ個人における適用性、また家族のビザ申請などを含め、疑問や不明点などがございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください

 

 

 

 

 

 

【参考サイト先リンク】
Talents Service Unit online platform commenced operation

Top Talent Pass Scheme

Population Growth by Component

 

 

 

 

 

 

本記事の目的:

本記事は、主に香港へ進出されている、またはこれから香港進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、香港での経営活動や今後の香港ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

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