香港・マカオ居住者を対象とした南沙個人所得税優遇措置の実施【大湾区情報レター Vol.48】
- 公開日 2022.11.23 | 大湾区(グレーターベイエリア)情報
「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。
最近、広州市財政局と国家税務総局広州市税務局は共同で「広州市南沙個人所得税優遇政策実施弁法」(以下、「弁法」)を公布しました。「弁法」では、中国本土の税制の原則に従い、広州、香港、マカオのルールの融合を促進し、南沙の個人所得税の減免条件、範囲、徴収管理の実施内容を明確にし、南沙で働く香港・マカオの住民が明確な方法で優遇措置を受けられるようにすることを目的としています。
「弁法」では、広州南沙で働く香港ならびにマカオの居住者はそれぞれ香港ならびにマカオでの納税額を上回る金額の範囲で個人所得税を免除されるとし、減免税額の計算は一課税年度を基準として行うことが規定されています。この優遇政策は、「広州南沙における世界に向けた広東省・香港・マカオ包括的協力の深化に関する総合方案」による計画の、広州市南沙区全域で実施され、実施対象期間は2022年1月1日から2026年12月31日までで、2026 年の個人所得分に対しては、翌年2027 年における個人所得税年次申告中において税金還付の手続きを行うことができます。
なお「弁法」では、香港ならびにマカオ居住者の身分を有し、広州南沙で登記された実質的な運営企業またはその他機関に雇用されている、広州南沙で独立した個人労働サービスの提供や生産・営業活動を行っている、さらに法律に従って広州南沙で個人所得税を納め、法律と規則を遵守し、優遇政策を享受する前の 3 年間以内に税違反の記録がない場合、といった、身分、労働、信義誠実の3つの方面に関する条件を同時に満たした場合、優遇税制を受けられることが明らかにされました。
南沙区は「弁法」に基づき、「2022年広州市南沙区香港・マカオ居住者個人所得税優遇政策申告ガイド」(以下「申告ガイド」)を発行し、申告の具体的な対応方法を明らかにしました。今回の「弁法」及び「申告ガイド」の発行は、広州南沙の個人所得税政策が香港とマカオと歩調を合わせることで、住みやすく働きやすい環境を育み、香港・マカオ居民が南沙で起業・就職することを容易にし、南沙が大湾区に拠点を置き、香港・マカオと連携し世界に向かう一大戦略プラットフォームとなることに寄与するものです。
【参考資料】
・香港・マカオ居住者を対象とした南沙個人所得税優遇措置の実施
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本記事の目的:
本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。
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