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ASEAN企業の海外上場 香港が第一候補【大湾区情報レター Vol.38】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。


 

 

 

 今年1月1日に地域包括的経済連携協定(RCEP)が発効し、域内の経済統合が進むにつれ、アジアにおけるプロジェクト、特に中国本土にあるASEAN企業プロジェクトやASEAN地域にある中国本土企業プロジェクトへの資金需要が高まっており、香港は企業の双方向の資金需要に対応する理想的なプラットフォームを提供できるポジションにあると言えます。



効率的かつ柔軟な資金調達のための多様な金融市場

 

 香港貿易発展局が中国建設銀行系列のCCBインターナショナルと共同で実施した調査レポートによると、香港はASEAN企業の海外上場に理想的なロケーションであるとされています。 現在、香港証券取引所には、ASEAN地域に本社を置く80社以上の企業が上場しており、非ASEANの株式市場に上場している企業としては最多となっています。 これらの香港上場ASEAN企業は、非必需消費財、不動産・建設、情報技術、工業など幅広い分野をカバーしており、時価総額は153億米ドルに達しています。つまり、香港はあらゆる分野と規模のASEAN企業にとって最も人気のある海外上場先となっています。

 当レポートでは、香港がASEAN企業にとって魅力的である要因として、多様で活気のある金融市場、海外投資資金調達プロジェクトのための効率的で柔軟な専門サービス、多様な金融・戦略投資家コミュニティへの容易なアクセス、大湾区と中国本土との架け橋、強力な監督管理システム、ASEAN各国とのタイムゾーンに近いといった利便性を挙げています。

 

 今後いっそうASEAN企業のニーズを満たし、同時に企業の海外上場センターとしての香港の地位を高めるために、香港はASEAN諸国でのプロモーションを強化し、現地企業の香港に対する認識を高めるべきであるという調査回答者からのアドバイスもありました。実際、一部のASEAN企業にとっては、香港の上場制度や関連政策の最新動向をより理解する必要があることは明らかです。


プロモーションの強化 ASEAN・中国本土を繋ぐ

 

 調査レポートの回答者によりますと、消費財及び関連サービス、鉱業・商品、不動産投資信託(REIT)などの主要セクターに加え、バイオテクノロジー、ハイテク企業、フィンテックなど、急成長する新興セクターもASEAN地域で有望であり、また、環境・社会・企業統治(ESG)投資要素は東南アジアでますます重要となって来ています。

 回答者は、海外発行体の上場制度の強化、新設のSPAC(Special Purpose Acquisition Company)の上場制度、REITに対する上場優遇措置を通じて、香港がASEANの主要・新興セクターの第一の上場先としての地位をさらに強化できると考えています。また、香港は、ASEANグループからのESG投資資金に対する需要の高まりに応えることができる有利なポジションにあります。

 

 ASEAN各国家と中国本土との重要なハブとして、香港はまた、ASEAN各地の証券取引所との協力関係を強化することにより、ASEAN企業の香港での重複上場、または二次上場を促進し、すべての当事者が持続的な成長機会をより効果的にとらえることができるようになります。


 また当レポートはマレーシア企業の海外上場の状況についても取り上げています。 ASEAN以外の主要な証券取引所の中で、マレーシア企業の上場数が最も多いのは香港です。 マレーシア企業は、香港を中国への重要な踏み台と考えており、現地経済の成長と地域経済のさらなる統合により、急成長する情報技術分野や新興企業は、新しいSPACの上場制度を通じて、将来的に香港証券取引所に上場する可能性があります。

 

 

 

【参考資料】

 

・ASEAN企業の海外上場 香港が第一候補     (HKET 2022年6月10日) 

 

 

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

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本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

免責事項:

  1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
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