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珠海・マカオ間クロスボーダー仲裁協力プラットフォームオンライン案件処理システムが始動【大湾区情報レター Vol.35】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。


 

   

 4月28日、「珠海国際仲裁裁判所条例」(以下「条例」)の実施状況説明会と珠海・マカオ間クロスボーダー仲裁協力プラットフォームオンライン案件処理システムの開通セレモニーが、横琴広東マカオ緊密協力区で行われました。 条例施行以来、合計979件の商業仲裁案件が処理され、その対象金額は24.8億人民元となりました。

 

 仲裁は、訴訟以外で民事・商事紛争を解決するための重要な手段であり、スピードと柔軟性、効率性と利便性、高度な専門性、当事者自治の尊重といったメリットを持つ国際的に認められた紛争解決方式です。2021年5月1日に同条例が施行され、中国国内で2番目の仲裁機関に特化した地方法となりました。

 

 この一年間、珠海仲裁裁判所は仲裁改革をより進め、理事会を中心とするコーポレート・ガバナンス体制を構築し、民商法を統合する方法を模索し、クロスボーダー仲裁協力プラットフォームを立ち上げ、横琴広東マカオ緊密協力区の建設に貢献、また商業団体と緊密に連絡を取り、企業を80回以上訪問し、10以上の業界団体及び組織と協力合意を結びました。

 

 さらに、珠海国際仲裁裁判所は、仲裁サービス提供のため、珠海で2年に1度開催の中国国際航空宇宙博覧会に参加し、航空博覧会に参加した最初で唯一の法律サービス機関となり、さまざまな出展者の紛争に関する迅速な解決を進め、航空博覧会において国際化された博覧会支援法律サービスを確立しています。

 

 今回の会議において、珠海国際仲裁裁判所は、マカオ弁護士協会仲裁センター、マカオ世界貿易センター仲裁センター、マカオ仲裁協会とともに、「珠海・マカオ間クロスボーダー仲裁協力プラットフォーム」のオンライン案件処理システムを立ち上げました。

 

 「珠海・マカオ間クロスボーダー仲裁協力プラットフォーム・オンライン案件処理システム」は、注目すべき点が数多くみられます。 顔認証や電子署名などの技術を通じて、仲裁プロセス全体を全てオンライン化し、移動の必要性の無い手続きを実現し、仲裁機関、仲裁人、当事者がオンラインプラットフォームを通じて仲裁情報を交換し、仲裁プロセスを進めることができます。また、証拠のトレーサビリティ、政府認可の電子証明書署名サービスや固定タイムスタンプ付き電子文書の利用により、適正な手続を保障しながら利便性を提供します。そして独立性、柔軟性、協調性、安全性、拡張性を備え、各パートナー機関は、案件処理システムを独自に展開し、独自の仲裁規則やニーズに応じてシステム環境をカスタマイズすることができます。

 

 セレモニーの最後には、珠海国際仲裁裁判所と珠海市中級人民法院との間の協力枠組み協定の調印、および「訴訟と商業仲裁との調整メカニズムの共同構築に関するいくつかの意見」の共同発表が行われ、裁判において商業仲裁を最大限に支援し、仲裁実務を悩ませるいくつかの難題に解決をもたらすための具体策が提示されました。

 

 

 

【参考資料】

 

・珠海・マカオ間クロスボーダー仲裁協力プラットフォームオンライン案件処理システムが始動

 

 

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

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本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

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