人民元が大湾区の最大のクロスボーダー決済通貨に【大湾区情報レター Vol.32】
- 公開日 2022.03.29 | 大湾区(グレーターベイエリア)情報
「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。
中国人民銀行の公式サイトによりますと、同銀行のガイダンスにより、大湾区の銀行に対し、クロスボーター人民元ビジネスの業務プロセスを簡略化するために、ホワイトリスト制度を導入し、優良企業は事前に一つ一つ書類を提出する必要がなくなり、支払い指示を出すのみで直接クロスボーダー資金決済を行うことができ、信用度の高い企業ほどより決済の利便性が高まることになりました。 2021年末までに1,000社近くの優良企業がこの政策の恩恵を受け、大湾区のクロスボーダー人民元決済規模は2021年に3兆8,000億人民元に達し、人民元は大湾区において最大のクロスボーダー決済通貨となりました。
また、2021年9月には「クロスボーダー・ウェルスマネジメント・コネクト(跨境理財通)」のパイロットスキームが正式にスタートし、大湾区内の中国本土居住者は香港・マカオで債券やファンドなどの投資商品を購入でき、また、香港・マカオの居住者は中国本土の資産管理商品やファンドを購入できるようになりました。 パイロットスキームを開始して以来、市場関係者は積極的に反応し、2021年末には大湾区の住民2万人以上、及び60行以上の銀行がトライアル運用に参加しました。
口座開設の円滑化に焦点を当て、香港とマカオの居住者が中国本土に直接足を運ぶ必要なく、中国銀行(BOC) 香港と中国工商銀行マカオを通じて遠隔で口座を開設できるように、口座開設のトライアルスキームも開始されました。 2021年末までに、香港・マカオの居住者がエージェント立会により開設した中国本土の個人口座は18万件、累計取引額は60億人民元となりました。 なお、モバイル決済を促進するため、香港・マカオ版クラウドクイックパス(雲閃付)ウォレット、アリペイ(香港)電子財布、WeChatペイ(香港)電子財布、BOCマカオモバイルバンキング、澳門通(マカオパス)Mpayウォレットなどの大湾区での利用を促進し、香港珠海マカオ大橋や入境ビザの費用支払いなど、モバイルクロスボーダー決済アプリの機能開発に注力しました。 2021年末までに、これら5つのモバイル決済アプリにて約926万件の取引が行われ、金額は約15億人民元に達しています。
【参考資料】
*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。
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本記事の目的:
本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。
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