広東省、大湾区にグローバル・トレード・デジタライゼーション・パイロットゾーンを構築【大湾区情報レター Vol.30】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。

 

 

 

　

　2021年、「貿易高品質発展10大プロジェクト」に牽引され、広東省の対外貿易、対外投資、消費などの商業の3大指標はいずれも過去最高を記録し、そのうち輸出入は初めて8兆人民元を超え、対外投資の実際利用額は1,800億人民元を超える見込みです。 1月13日、2022年広東省商務工作テレビ電話会議が行われ、上記の内容が明らかになりました。

 

　今年、広東省は、大湾区のグローバル・トレード・デジタライゼーション・パイロットゾーンの計画とスタートに注力し、珠江デルタ地域と広東省の東部・西部・北部地域への投資を増やし、補完的な投資を行い、「本部＋基地」「研究開発＋生産」「販売＋倉庫保管」などの産業パターンの形成を促進し、全国に広がる商業及び貿易の流通センターの建設を推進し、商業及び貿易の流通の国内における大循環の架け橋としての役割を強化します。

外国貿易はパンデミックに反し過去最高を記録　越境ECや市場調達の規模は3,000億人民元を超える見込み

 

　世界の貿易がパンデミックで苦しむ中、広東省の対外貿易は多くの不利な要因の下で挑戦に立ち向かい、対外貿易の基盤を固めました。 その背景には、中国の感染拡大の効果的な予防対策と制御により先んじて回復した経済による後押し、広東省の安定した対外貿易政策の保障能力、対外貿易企業の革新的な活力、産業チェーン、サプライチェーンの一体化能力により形成された相乗効果によるものであるといえます。

 

　2021年以降、広東省は「10大プロジェクト」を始め、高品質な貿易発展を促進するために一連の政策の複数の措置を講じました。

 

①新しい貿易形態、モデルの急速な発展により対外貿易の発展に新たな勢いを与える

　広東省は「越境ECの高品質発展に関する10ヶ条」、「市場調達貿易の革新的な発展に関する8ヶ条」を打ち出し、7つの総合試験区が越境ECのトライアル地点とされ、越境ECと市場調達の年間規模は共に3,000億人民元を超えると予想されています。

 

②主要な貿易プラットフォームプロジェクトの新たな進展、構造転換と高度化を進め、強化する

　広州南沙輸入モデルゾーンは、自動車貿易、航空機リース、コールドチェーン・ロジスティクスなど、6つの100億規模の輸入プラットフォームの建設を開始、揭東経済開発区は国家経済開発区に格上げされ、新たに6つの国家レベル対外貿易構造転換及び高度化基地が増加、最初の7つの省レベルの海外経済貿易協力区建設をサポートしています。

 

③海外貿易企業トップ100の強化を支援し、主要貿易企業の発展を安定させる

　年間貿易企業上位100社の輸出入は広東省の3分の1以上を占めると予測されています。広東省は加工貿易における主要企業のうち第一陣の20社の育成を支援するために「加工貿易15条」を実施し、加工貿易の輸出入は年間で2.2兆人民元以上を超えると推定されています。

④通関の円滑化を加速させ、良質の高いビジネス環境を実現させる

　データによると、広州と深圳のクロスボーダー貿易指標は全国のビジネス環境アセスメントにおいてそれぞれ第2位、第3位にランクインしており、輸出入全体の通関時間は前年比でそれぞれ23％、31％短縮され、国際貿易における「ワンストップサービス」の主要業務における活用率は100％に達すると予想されます。

 

⑤金融革新により、外国貿易発展に活力を与える

　政策に基づく輸出信用保険の引き受け規模は1,000億米ドルを超え、「貿融易」サービスは対外貿易を行う中小企業に24億人民元の融資支援を行いました。

 

⑥サービス貿易の革新発展試行を全面深化、事業改革と革新を堅実に推進

 　広州と深圳のパイロットタスクは全面的に展開、111のパイロット改革タスクが実施されました。 国際貿易の「ワンストップサービス」の構築を深化させ、累計通関書類は46億枚と、全国の51％を占めています。 「澳車北上」システムによる広東省・マカオ間のクロスボーダー連合共同試運転を完了し、広東省－マカオ間の貨物の「1書類で両地の通関手続き」が開始されました。 汕尾港と揭陽港の拡張は国家検査に合格し、湛江港の拡張は国務院の承認を受け、マカオと珠海の新しい出入境ゲートである青茂口岸も無事オープンしました。

　現在、対外貿易の発展は多くの不確定要素に直面していますが、広東省は今後どのようにして貿易の質の高い発展を促進するべきかという点に注目が集まっています。

 

　「今年は高品質な貿易発展のための10大プロジェクトをさらに推進し、高品質貿易発展の新たなブレークスルーを推し進めます。」広東省商務庁の張勁松庁長は、大湾区におけるグローバル・トレード・デジタライゼーション・パイロットゾーンの計画・建設開始、越境ECモデル省の構築、競争力のある貿易先進企業クラスタの構築、また、広東省企業の国内外市場開拓を支援するために、「広東貿易グローバル」「広東貿易ナショナル」シリーズの経済及び貿易イベントを各100回を引き続き開催する予定と述べました。

 

内需を拡大し消費のアップグレードを促進　省内のオンライン小売売上高は3.3兆人民元に達する見込み

 

　昨年、広東省は引き続き消費促進に力を入れ、「自動車消費フェスティバル」、「家520」、「食は広東にあり」、「123正月製品ショッピング」および歩行者天国（商店街）、ナイトエコノミー、老舗ブランドカーニバルなど7つのテーマ別セールス・プロモーション・イベントを実施しました。 中古車の、省をまたぐ登録行政政策実施により、中古車取引台数は265.5万台と前年同期比14.4％増となりました。

 

　2021年11月、広東省は「都市消費促進に関する若干の政策措置」を発表し、広州と深圳で自動車ナンバー取得の制限を段階的に緩和し、自動車消費を拡大させることを提案しました。 広東省では最近、2021年の自動車下取り買い替え特別キャンペーンを今年6月30日まで延長すると発表されました。

 

　また、広東省では昨年、ライブeコマースやスマート・ショップなどの新しい形の消費のスピーディーな発展を推進しており、今後全省で320万件のさまざまなライブイベントが実施される見通しです。 同時に「2021年全国オンライン正月商品祭」、第3回「双品（品牌（ブランド）消費、品質消費）オンラインショッピング祭」を開催し、衣料品、デジタル製品、ビューティー製品などの5大eコマース産業のライブ拠点の開設を推進しました。 同省のオンライン小売売上高は3.3兆人民元に達し、10％以上増加し、全国1位になると予想されています。

　また、昨年、広東省は農村における国家レベルのeコマースの総合的モデル県を7つ追加し、県レベルの大型eコマースサービスセンターを52箇所、eコマースサービス拠点を6,000箇所以上設置し、トータルで延べ30万人近くの関連人材を育成し、省の農村ネットワークにおける小売売上が15%以上増加の630億人民元に達する見込みで、農村の活性化に大いに貢献することになりました。

 

　今年も広東省は引き続き超大規模の人口とマーケットの潜在力を刺激し、国内の大循環を円滑にし、経済発展における消費の基本的な役割を高めていきます。 中でも広東省は「都市消費促進26条」を実施し、深圳の東門歩行街の試験的リノベーションとグレードアップを推進し、省レベルのモデル歩行者天国（商店街）を新たに認定し、老舗ブランドの革新とグレードアップを促進し、多くの夜間消費クラスタエリアを創設するとしています。

 

　また、広東省では、農村の消費を活性化するため、農村商業貿易センターや鎮（町）市場の改修・整備を行う予定です。 また、全国に広がる多数の商業貿易物流センターの建設を推進し、有力なサプライチェーン企業の育成を支援し、農産物のコールドチェーン基礎設備の建設を完了し、商業貿易流通における国内大循環の架け橋役としての役割を強化します。

 

 

 

 

【参考資料】

・広東省、大湾区にグローバル・トレード・デジタライゼーション・パイロットゾーンを構築

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

 

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本記事の目的：

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

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