「Unicorns HK 2021」公表「香港のDNA」ユニコーン企業18社がリストに【大湾区情報レター Vol.26】
- 公開日 2021.12.7 最終更新日 2022.01.6 | 大湾区(グレーターベイエリア)情報
「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。
香港ではますます多くのスタートアップ企業が成功を遂げており、また多くの国際的起業家が香港に進出してきています。創科香港基金会(Hong Kong X Foundation)は、ハイエンド製造業、ロボット工学、人工知能などの分野を中心とした「香港のDNA」を持つ18のユニコーン企業を掲載した以下の「Unicorns HK 2021」リストを初めて公表しました。
マーケットの隙間を狙った「起業家軍団」たち
セコイア・チャイナが香港で設立した慈善基金「Hong Kong X Foundation」(創科香港基金会)と中国国際電視台 CGTNは、特別番組「創新港湾 2021 Inno Bay」を共同制作し11月22日に生放送しました。 当番組では、香港で創業/インキュベートされた企業、香港に本部を置く企業、香港人が創業した企業など、香港のユニコーン企業をリストアップした「Unicorns HK 2021」が公表されました。 当リストのスタートアップ企業は、プライベート・エクイティ投資を受けており、未上場、評価額が10億米ドルを超え、国際的なユニコーン企業の基準を満たし、 また、香港と中国本土の両方の規制要件を満たした企業となります。
評価額100億米ドル以上のスーパーユニコーン企業
リスト上の18社のユニコーン企業のうち、DJI、SenseTime、Lalamoveの評価額が100億米ドルを超えており、Airwallex、EcoFlowなどの企業も10億米ドルを超えており、そのほとんどがハイエンド製造業、ロボット、人工知能の分野に属しています。
またリストに入っているユニコーン企業のうち、6社が香港科技大学(HKUST)出身の企業であることも注目に値します。 「中国起業家の隠れたゴッドファーザー」と呼ばれる李澤湘教授は、これまでに5つものユニコーン企業に関わってきました。 彼は、HKUSTの学生と大学のアントレプレナーシップ(起業家精神)・グループを結成、学生たちに起業を奨励し、資金の手当てや技術支援を行うとともに、大湾区の製造業基盤を活用して、自らの学生が設立したハイテク企業に対してインキュベーションや投資を行い、DJIやGOOGOLTECHなどの設立に参与した経緯もあります。
香港の若きユニコーン企業の共通点とは?
創科香港基金会によると、これらの「香港のDNA」を持つユニコーン企業には多くの共通点が見受けられます。 まず、2014年設立のKLOOKや2015年設立のAirwallexなど、いずれも非常に若い企業であることです。 これらの企業の中で最も若い企業は、香港中文大学のコンピュータサイエンスエンジニアリングの終身教授である賈佳亜氏が2019年に設立したコンピュータビジョン企業のSmartMoreとなっています。
また、その他特筆すべき共通点として「香港を拠点とし、大湾区に根を下ろし、グローバルな視点で活動している」ことが挙げられます。 当会の分析によると、「香港のDNA」を持つユニコーン企業の多くは、各大学のスタートアップインキュベータや政府系のサイエンスパーク、サイバーポートなどのインキュベーションスペースや政策を最大限に活用しています。 少なくとも9社が香港にグローバル本部やコアオフィスを設置し、大湾区に研究開発や製造拠点を置いています。 香港マーケットにおいて製品の質を磨いた後、大湾区の確立された製造サプライチェーン、活発な販売マーケット、豊富な産業クラスタを組み合わせて、試作から量産へと移行し、最終的には全中国、全世界に製品を販売しています。
【参考資料】
・「Unicorns HK 2021」公表「香港のDNA」ユニコーン企業18社がリストに(香港経済日報 11月22日)
*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。
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本記事の目的:
本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。
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