「前海深圳香港国際金融城」着工 入居契約済企業の30%超が香港・外資系企業【大湾区情報レター Vol.25】
- 公開日 2021.11.23 最終更新日 2022.01.6 | 大湾区(グレーターベイエリア)情報
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10月28日、「前海深圳香港国際金融城(以下「前海金融城」)」が正式に着工し、式典が行われました。深圳と香港の協力関係を重視し、大手の国際金融機関、香港・外資系の金融機関、デジタル金融機関の機能的なクラスターを形成し、差別化された発展、Win-Winの提携による国際金融プラットフォームとして立ち上がります。 現在、100社以上の各種金融機関が入居契約をしており、うち香港系、外資系金融機関の比率は30%を超えています。
「香港・深圳の金融協力の能力レベルを共に高める」
深圳市委員会常務委員・深圳市常務副市長の黄敏氏は、前海金融城の着工は、「前海深圳香港現代サービス産業協力区の改革開放の包括的推進計画」の「中国金融業界の対外開放のための試験的な窓口およびクロスボーダー人民元業務におけるイノベーション先行区の機能強化」という要求を実行するための具体的な行動であり、 これは、前海の「両城六区一園一場六鎮双港」**プロジェクトにおける重要な進展であり、深圳と香港の協力レベルをさらに高めるための新たなプラットフォームを前海に提供するものになります。
**「両城六区一園一場六鎮双港」:深圳市前海にて開発が進められているビジネス、居住関連の建設プロジェクトの総称。例えば、「両城」は前海深圳香港国際服務城と今回の前海金融城を指す。
「前海金融城の建設過程で、香港は、その経験を提供し、強みを生かして、金融市場の相互接続の深化、グリーンファイナンスとフィンテックの開発の共同促進を行い、前海と共同で香港・深圳間の金融能力のシナジーを高めていく」と 香港金融発展局のローレンス・リー(李律仁)主席は述べました。
香港政府の財務長官であるポール・チャン(陳茂波)氏は、「前海金融城の建設着工は、香港と深圳の協力関係における新たなマイルストーンであり、人民元の国際化、両地域の金融市場のさらなる相互接続、大湾区の保険業の発展など、様々な金融の分野で香港と前海が引き続き更なる協力の可能性を探り、大湾区の金融業界が実体経済によりよく貢献できるように共同推進していくことを期待しています。」と語りました。
100万平方メートル以上のオフィススペース
前海協力区党工作委員会副書記、前海管理局常務副局長の黄暁鵬氏は、前海金融城が3つの大きな優位性を持つことを以下のように紹介しました。
まず第一に、質の高いオフィススペースが十分にあること。 計画総面積2.3平方キロメートルの金融城は、ビジネス、ホテル、インターナショナルスクール、文化交流などの総合的な機能を備えており、「前海国際金融交流センター」や「前海石公園」などの公共施設の建設も予定されており、深圳と香港の金融関係者のために高レベルの住みやすい、働きやすい、楽しめる生活圏を形成しています。100万平方メートルを超える高品質でコストパフォーマンスの良いオフィススペースが用意されます。
第二に、産業クラスターの形成状況が顕著であること。前海金融城は現在、100以上の各種金融機関と既に入居契約しており、そのうち香港と外資を合わせると30%以上を占めています。
第三に、クロスボーダーの金融イノベーションが活発であること。 前海は香港の金融市場との相互運用性、人民元のクロスボーダー使用、外国為替管理の円滑化などの先駆者です。 最近では、中国工商銀行(ICBC)や招商銀行など深圳の12の銀行が中心となって、前海で初の「跨境理財通」(クロスボーダー・ウェルスマネジメント・コネクト)のパイロット事業を立ち上げました。
着工式において前海管理局は、市地方金融監督管理局、中国人民銀行深圳市中心支店、深圳銀行保険監督管理委員会、並びに深圳証券監督管理委員会と「前海金融城の建設支援に関する協力協定」を締結し、また、スイス再保険(外資)、大新銀行(香港)、UBS前海(外資)、AXA安盛天平 保険(外資)、招融投資(香港)の5つの香港・海外の主要機関との間で、金融協力イノベーションに関する協定を締結しました。
また、招連消費金融、招商局仁和人寿保険、東亜前海證券、東亜銀行前海支店、恒生前海基金管理、韓国IBK企業銀行(中国)深圳支店、真意保険代理、集友股権投資管理(深圳)、光大金控香港資産管理、前海金融控股、創金合信基金管理、深圳市金融ブロックチェーン発展促進会、深圳市グリーン・ファイナンス協会など、13の主な金融機関が前海金融城に進出を予定しています。
【参考資料】
・「前海深圳香港国際金融城」着工 入居契約済の30%超が香港・外資系企業
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