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日系香港企業向け、香港駐在員の異動に関するTO DOリスト☑

 

日本では4月から3月を一般的に一年度として区切られていることが多いかと思います。3月もそろそろ終わりを迎えようとしていますが、この節目に帰任、赴任など異動を行うという日系企業は多いのではないでしょうか。

 

さて、今回は香港駐在員の方々が異動となるケースの多いこのタイミングで必要となる主な手続きをご紹介したいと思います。

 

  1. 帰任・退職:IR56G、もしくはIR56F
  2. 赴任:就労ビザ取得、HKIDの取得、56Eの提出、取締役変更
  3. その他:就労ビザの更新、Employers Return

 

 

1.帰任・退職

 

☑税務局への退職届(IR56G・IR56F)の提出

香港での駐在期間を終え日本に帰国する社員がいる場合、雇用主はIR56Gという退職届を税務局へ提出します。

これは、従業員が退職後に香港から長期もしくは永久に出国する場合のフォームで、通常従業員の出国する1カ月前までに提出が必要であることに注意してください。

 

もしも退職後も香港に滞在し続けるという場合には、IR56Fという退職届を提出する必要があります。この場合も退職の1か月前が届け出の提出期限となります。

 

 

 

2.赴任

 

☑就労ビザの取得、HKIDカードの取得

新たに香港に赴任という場合には、もちろん就労ビザの取得も必要ですが、長期滞在者はHKIDカードの取得が義務付けられています。このカードは、日本でいうマイナンバーに相当するもので、就労ビザを取得し香港へ入境したあと、移民局で発行手続きを行い、その数日後に交付されます。

 

原則香港入境日から30日以内に取得しなければなりませんが、移民局での予約枠が先まで埋まっていることが多く、基本的にウォークインを受け付けていないため、就労ビザ承認後すぐにオンラインで予約をしておくことをお勧めします。

 

ただし、過去に香港に駐在していたことがあり再度駐在されるという場合には、以前に取得したHKIDカードを再利用することが出来るため再取得は不要となります。

 

尚、香港での銀行口座開設にはこのHKIDカードの提示が必須要件であるため、香港到着後できるだけ早めの取得が重要です。ただし銀行によっては発行手続きの証明があれば口座の開設が可能となる場合もありますが、取得後に提示を求められることもあります。

 

 

 

☑税務局への入職届(IR56E)の提出

IR56Eとは、香港企業が新しい従業員を雇用した際に税務局に届け出るフォームです。日本本社から香港社への出向だとしても、税務上香港での新規雇用として扱われるため、雇用日より3か月以内の提出が必要となります。

 

 

 

☑取締役の変更手続きについて

もしも新年度を機に取締役の交代がある場合には、会社登記所へ取締役の辞任/就任を通知する変更届を提出することが義務付けられていおり、取締役の就任、辞任日から15日以内に提出する必要があります。期限を過ぎて変更届を提出した場合、罰則金が発生する恐れがあります。

 

 

 

3.その他

 

☑就労ビザの更新

移民局の判断にもよりますが、初めて就労ビザが発行される場合の有効期限は2年間、更新した場合の就労ビザの有効期限は3年間で発行されることが一般的です。

 

そのため、この3月/4月で香港社へ赴任してもうすぐ2年、もしくは5年となる方で、引き続き香港で勤務される場合は、そろそろ就労ビザの更新が必要となるタイミングになるのではないでしょうか。現在オンラインですべての手続きが完結するようになっており、4週間前より申請が可能、また承認後はビザ代を支払うことでeビザが発行されます。

 

もしも香港の滞在期間が通算で7年間を超えた場合には、就労ビザの更新ではなく永住権の申請というオプションもあります。永住権取得により、今後就労ビザ更新の必要がなくなります。

 

 

 

☑Employers Return(雇用主支払申告書の提出)

赴任、帰任した際の手続きとしてはあまり関係ありませんが、こちらは香港の税務における年度初めである4月において、毎年必須となる手続きで、個人所得税の納税を行うための第一ステップとなります。

 

各企業は、税務局から4月初旬ごろにEmployers Return と呼ばれるBIR56AおよびIR56Bというフォームが発行され、雇用主である企業へ郵送されます。このフォームには、前年度となる4月1日~3月31日までの期間において各従業員へ支払った報酬金額を記入し、提出しなければなりません。

 

 

詳細は香港4月の税務季語”Employer’s Return”(雇用主支払い申告書)をご覧ください。

 

 

 

 

終わりに

どれも重要な手続きであるため、忘れてた!ということはあまりないかと思いますが、今回ご紹介したTO DOリストで今一度抜けがないかぜひ確認してみてください。

 

「年度末、初めで忙しすぎる」、「手続きに不安がある」という場合には、弊社にて各お手続きのサポートが可能ですので、お気軽にお問い合わせください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本記事の目的:

本記事は、主に香港へ進出されている、またはこれから香港進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、香港での経営活動や今後の香港ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

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  1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
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