新工業化、「メイド・イン・広東」が台頭【大湾区情報レター Vol.73】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。

　 

　　

　

　

　2023年の「フォーチュン・グローバル500」リストには、ファーウェイ、広州汽車集団、BYD、美的集団、立訊精密（LUXSHARE-ICT）などの19社の広東省企業がランクインし、そのうち製造業企業が10社含まれており、数量では中国の他の省をリードしています。広東省の工業規模は中国全体の8分の1を占め、31の主要製造業大分類のすべての分野を網羅しており、且つそのうち15分野で中国国内1位の規模となっています。現代的産業体系が初期段階で構築され、独自の広東省の工業化の道筋が築かれました。

 

「大規模プロジェクト」の拡大と増加、「大企業」の育成と効率向上

 

　広東省は積極的に「基礎研究＋技術への取り組み＋成果転換＋フィンテック＋人材支援」の全プロセスのイノベーション・エコロジーチェーンを構築し、科技成果の最適な転換の地を作り上げています。現在、広東省全体での一定規模以上の製造業企業、ハイテク企業、国家レベルの専門特新「小巨人」企業の数は、中国全体で最も多く、地域の総合的なイノベーション能力も6年連続で中国1位です。

 

　新工業化の新しい要素は、核心原動力にあります。「広東製造」は、テクノロジー・イノベーションにより新しい生産力を形成し、「広東創造」へと加速しています。最近、美的（Midea）グループによる科学技術月間のイベントが行われ、先進的な技術が次々と登場しました。過去5年間には、美的は500億人民元以上の研究開発資金を投入し、2023年にはさらに130億人民元以上を投資すると見込まれています。美的はすでに伝統的な家電大手企業からテクノロジーの大手企業へと転身を遂げています。美的グループの董事長兼CEOである方洪波氏は、テクノロジー・リーダーシップ戦略を核心に置く必要性を強調し、美的は研究開発への投資をさらに増やすと述べています。

 

　製品のハイエンド化、生産プロセスの集約化、生産効率の最大化は、新工業化の発展成果の核心パフォーマンスです。現在、広東省では、ますます多くの製造業企業が技術改革を通じて新たな領域を切り拓いています。

 

第一から第三四半期にわたり、広東省の工業技術改革投資は前年同期比で22.1％増加し、過去5年間で最も高い成長率を記録しました。工業投資は連続33か月、2桁成長を維持しています。最近、広東省は「技術改革十ヶ条」と呼ばれる政策を発表し、製造業企業に対してハイエンド化、インテリジェント化、グリーン化、統合化への改革を行うよう指導・奨励し、省内の年間平均9,000社以上の製造業企業が技術改革を実行することすることを目指しています。

 

「大産業」の柱、「大プラットフォーム」のアップグレードと強化

 

　近年、広東省は新エネルギー車、新エネルギー貯蔵、集積回路などの新たな分野や機会を積極的に追い求めており、産業のインテリジェント化、グリーン化、統合的発展の動向は良好です。新エネルギー車、ドローン、5G通信などの新興産業では世界をリードしています。

 

　ハンガリーの首都ブダペストでは、消費者が最新の新エネルギー製品を体験してオーダーできるBYD直営店が10月に2店舗オープンしました。現時点でBYDはヨーロッパの19か国に進出しており、ハンガリーは同社が初めて参入した中東欧マーケットとなります。

 

　深圳市坪山新エネルギー自動車産業パークは、中国で初めての100メートルの組み立て式「超高層工場」として知られています。各工場には大型自動車輸送エレベーターが設置されており、小型車でも17階までエレベーターに乗ることができます。すでにBYD、新宙邦（Capchem）などの企業が契約し入居しています。

　これらの省級工業園区や大型工業クラスタなどの大型プラットフォームは、新工業化を推進する主戦場、主拠点、主エンジンとなっています。第1四半期から第3四半期にかけて、広東省内の7つの大型工業クラスタ、96の省級工業園区の工業付加価値はそれぞれ5.7％、7.9％増加しました。

「大環境」エコロジーの強化

 

　企業は産業発展の主役であり、新工業化を推進する重要な力です。広東省は産業発展環境の最適化にも力を入れています。近年、広東省は「権力の委任、監督管理の強化、サービスの最適化」の改革を深化させ、デジタル政府、生産要素のさらなる市場化、ビジネス環境などの改革において中国をリードしています。広東省はまた、製造業の高品質発展を促進するための「広東省製造業の高品質発展促進に関する条例」の立法プロセスを加速しており、資金、土地、エネルギー、金融などの要素を先進製造業に集約し、新工業化をより高品質なものへと推進していきます。

 

　仏山市では近年「益曬你*」という企業サービスシステムを構築し「年次評価」と「年次修正」を実施しています。これにより、企業の満足度と達成感を継続的に高めています。カールスバーグ中国のCEOである李志剛氏は、「仏山への投資に対する我々の自信のほとんどは、仏山のビジネス環境に対する信頼からきています」と述べました。また、カールスバーグは今後も投資を増やし、生産を拡大し、仏山市を中国で最も重要な生産拠点の一つにしようとしているとも述べました。

*「益曬你」：広東語で「すべてのメリットをあなたに」という意味であり、仏山企業サービスシステムがすべての企業を対象に、すべてのプロセスを含め、オールラウンドで満足の行くサービスを提供するようにしている。

 

　

 

・新工業化、「メイド・イン・広東」が台頭

 

 

 

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

 

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本記事の目的：

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

免責事項：

1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
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