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「香港北部都会区行動綱領」公表 四大開発地域の位置づけ明確に【大湾区情報レター Vol.71】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。

  

  

 

 香港政府は10月30日、香港北部都会区の開発ビジョンや地域計画、主要建設プロジェクトなどを明らかにした「北部都会区行動綱領」(以下「行動綱領」)を発表し、 8つの目標を提示しました。

 

 面積3万ヘクタール、香港の総面積の約3分の1を占める北部都会区は、産業による先導を主軸とし、異なる開発テーマや産業位置付けの4つの主要地域に分かれています。最西端に位置するハイエンド専門サービスと物流ハブは深圳前海協力区に接続し、現代サービス産業センターを構築します。中央部に位置するイノベーション・テクノロジー・ゾーンはイノベーションと技術開発クラスタハブを構築し、河套協力区の深圳側園区と共に開発されます。そして、新田科技城の東に位置するボーダービジネス産業区は、3つのボーダーを有するという利点を生かし、ビジネスや産業の発展を牽引します。最東部のグリーンレクリエーション・観光エコシステムゾーンは自然と文化資源が豊富であり、観光と自然保護の機会を創出することができます。

前海協力区と連携しハイエンド専門サービス・物流ハブを構築

 「行動綱領」では、北部都会区の西部にハイエンド専門サービス及び物流ハブを構築することを提案しており、深圳前海の深圳・香港現代サービス産業協力区と南山区と共に、金融・プロフェッショナルサービス、物流サービスなどの方面において、ハイエンド経済協力を促進・深化させることにより、現代サービス産業の中心地となり、大湾区全体に広げることで、深圳・香港両地を頻繁に行き来するサービス産業の人材が集まることとなります。

 

 また「行動綱領」はハイエンド専門サービスエリアと位置づけられた洪水橋/廈村計画について繰り返し言及しています。金融、保険、ウェルス・リスク・マネジメントなどの専門分野における香港特有の優位性を発揮し、法律、調停、仲裁、会計サービスなど国際基準に準拠した専門サービスに加え、前海、南山などの中国本土企業の香港経由での海外市場拡大を支援します。また、深圳湾イミグレーションに隣接する洪水橋/廈村エリアは、香港・深圳の「東から東へ、西から西へ」のクロスボーダー貨物輸送レイアウトにより、近代的物流センターとなります。

 

 また、洪水橋/廈村に若者のイノベーション・起業拠点を設置し、起業支援センター、コワーキングスペース、オフィススペース、イベント会場などの施設を提供し若者起業家を誘致し、若者起業家クラスタを形成することで、大湾区のその他地区のイノベーション・起業拠点との協力を促進します。

イノベーション・テクノロジー・ゾーンの構築 河套協力区深圳園区との共同開発

 イノベーション・テクノロジー・ゾーンは北部都会区の中央に位置しており、「行動綱領」によると、新田科技城は北方都会区イノベーション・技術開発クラスタの中心地であり、北部都会区全体の産業発展における重心となっています。

 

 河套協力区の深圳側園区に隣接する新田科技城は「南に金融サービス、北にイノベーション・テクノロジー」という香港の新たな産業レイアウトを推進するため、深圳側園区と連携し開発する予定です。新田科技城の600ヘクタールの土地の約半分の300ヘクタールがイノベーション・テクノロジー開発用地となっており、新田/落馬洲エリア及び河套協力区の港深科技創新協力区が含まれています。総床面積は約700万平方メートルで、香港サイエンスパーク17個分に相当する規模で、科学技術イノベーションやその他産業の発展に豊富な土地資源を提供します。

 

 イノベーション・テクノロジー・ゾーンは、計画・検討中の多くの鉄道・高速道路プロジェクトや、落馬洲/皇崗イミグレーションの再開発からの恩恵を受けることとなります。その中でも、全長約5.8キロの地下鉄のノーザン・リンクライン(北環線)は、河套協力区の港深科技創新協力区に駅が設置され、深圳の新しい皇崗イミグレーションに接続される予定であり、河套協力区を含む新田科技城のイノベーション・テクノロジー開発用地の対外交通連結強化に役立ちます。

イミグレーションの利点を生かし、ビジネス・産業の発展を推進

 「行動綱領」によると、開発計画中の新界北部ニュータウン及び羅湖/文錦渡においては、約1,500ヘクタールの土地を有し、イミグレーション存在の利点を生かし、潜在的発展が見込まれる、イミグレーション関連、またはより広い敷地面積を必要とされる経済的用途での開発の可能性を秘めています。イミグレーション地区の商業圏や新興産業の拠点を構築し、新田科技城のイノベーション・テクノロジー産業と相互補完するとともに、深圳市羅湖区の発展の架け橋となることができます。

 

 イミグレーション地区の商業産業エリアは新田科技城の東に位置しており、羅湖、文錦渡及び香園圍の3つのイミグレーションを擁しています。同エリアは深圳の羅湖区と隣接しており、深圳在住の香港人が多く、香港企業が進出しているエリアでもあります。ビジネス面では、羅湖に近い地理的優位性と、クロスボーダーの人の往来が多いことを考慮すると、商業サービス、小売・金融サービス、医療サービス、レジャー消費等の産業を構築し、対個人のクロスボーダーサービスや生活消費の需要を満たすことが可能です。

豊かな自然と人文資源 観光と自然保護の機会を創出

 「グリーンレクリエーション・観光エコシステムゾーン」は、北部都会区の最東端に位置し、豊かな自然資源に恵まれ、自然保護区、海岸公園、地質公園の他、多くの伝統的な町並みを有しており、レクリエーションや観光開発の可能性を秘めています。この地域は観光産業が盛んな深圳市塩田区と隣接しており、両地域間の協力のチャンスも存在しています。

 

 観光に関しては、香港特区政府は深圳市政府と協力し、香港側の沙頭角と深圳側の沙頭角における文化観光ゾーンの開発、及び両地域からの旅行者の観光エリアへの出入りをより便利にするための施策を含め、可能性を検討しています。

 

 沙頭角イミグレーションの施設は老朽化しているため、出入境効率の向上と沙頭角地区の発展を促進するため、香港特区政府は深圳当局と連携し沙頭角イミグレーションの再開発プロジェクトを推進しています。再開発後の沙頭角イミグレーションは純粋な旅客向けのみの出入境通関管理所となる見込みです。

 

 

 

 

 

・「香港北部都会区行動綱領」公表 四大開発地域の位置づけ明確に






 

 

 

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

 

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本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

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