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香港での雇用および就労においては「滞在条件」に要注意!

 

2022年の後半から段階的にコロナ対策における香港への入境制限に対する緩和が進み、現在では既に日本と香港間の往来はコロナ前と同様のビザなし渡航へと正常化しています。

 

また、中国内地と香港との往来については、旧正月明けの2023年2月6日から全面的に再開しましたが、現在(2023年7月7日時点)も、従来の日本パスポートでの15日のビザ免除での渡航措置はまだ復活していませんので、以前のように日本パスポート保持者が香港経由で中国へ入るにはビザ取得することが必要なことに留意が必要です。

 

 

不法就労の増加が起きている

さて、2月6日の香港と中国間の往来再開以降、中国本土からは中国本土籍の方は香港への通行証の取得により香港への渡航ができ、香港人の方は、回郷卡(Home Return Card:正式名称「港澳居民來往內地通行證」)で中国本土に渡航することができるようになり、香港-中国本土間の往来の回復は非常にめざましいものがあります。

 

そんな中、こんなニュースを見つけました。

 

 

「移民局、香港で中国本土の不動産を違法に販売した女3人を逮捕」 

香港移民局は、香港へ不動産販売の不法にて就労していた男女4人を逮捕した。当新聞社 は最近、香港に大湾区不動産の展示場が出現し、専門家のような身なりをした中国本土から来ていると思われる人物が香港の客をもてなし、物件の無料見学ツアーを提供しているとの情報を入手した。

 

情報筋によると、最近、何者かが建物の1階店舗を物件の展示場として借り、主に中山、仏山、肇慶など大湾区の本土物件を売り込むビラを街頭に置き、「期間限定で現地見学無料」「ツアー費用ゼロ」「今買って、後で住む」などと吹聴し、展示場でビラを提示するとプレゼントがもらえるなどととうたっていたという。 会場にいた男女は皆、不動産業者らしいスマートな服装で、店舗の前を通る香港人に売り込もうとしていた。

 

移民局は当社の問い合わせに対し、最近、観光客として香港に入境し、街頭で中国本土や海外の不動産の広告を出したり、関連販売業に従事したりする者が見つかっており、雇用に従事したり、移民局長の許可を得ずに事業設立したり参加したりするという滞在条件に違反している疑いがあると回答した。

 

5月15日、香港移民局は捜査を開始し、尖沙咀(チムサーチョイ)、旺角(モンコック)、銅鑼湾(コーズウェイベイ)での一連の取締りの過程において、観光客として香港に入境し、街頭で中国本土や海外の不動産を宣伝したり、関連する販売業務に従事し、滞在条件に違反している疑いがあることが判明し、旺角の店舗で33歳から48歳の3人の中国本土女性が逮捕された。 また、55歳の香港人男性も不法就労者雇用の疑いで逮捕され、現在も捜査が続いている。

 

移民局は、いかなるものであっても有効な滞在条件に違反することは犯罪であると強調している。 一方、すべての訪問者は、移民局長の事前の承認がない限り、有給・無給を問わず、香港でいかなる雇用業務に従事することは禁止されている。 違反者は起訴される可能性があり、有罪となった場合の最高刑は5万香港ドルの罰金および2年の禁固刑である。 また滞在条件違反のほう助も同罪とされる。

 

さらに、香港入境条例は、合法的に雇用可能でない者を雇用することは重大な犯罪であると再三述べている。入境条例では、雇用主が合法的に雇用可能でない者、不法移民、退去命令または強制送還命令の対象者、オーバーステイ、入境拒否された者を雇用した場合、犯罪の重大性を反映し、従来35万香港ドルの罰金及び3年の禁固刑であった最高刑が、50万香港ドルの罰金及び10年の禁固刑に大幅に引き上げられた。

 

またそれに関与した会社の取締役、管理職、秘書、パートナーなども刑事責任を問われる可能性がある。 高等裁判所は、不法就労者の雇用者に対し即刻禁固刑を科すことを求める判決ガイドラインを公布した。

 

裁判所の判例によれば、従業員の雇用を決定する前に、その従業員が合法的に雇用可能であるかどうかを確認するために、実務上可能なあらゆる手段を講じなければならない。 被雇用者の身分証を確認することに加え被雇用者に問い合わせを行うことは、雇用者の明示的な義務であり、 求職者が香港永久居民IDカードを持っていない場合、雇用主は求職者のパスポート等有効な渡航書類も確認しなければならず、違反者は有罪判決を受けた場合、最高15万香港ドルの罰金および1年の禁固刑に処せられる。

 

この点に関して、移民局スポークスマンはすべての雇用主に対し、不法就労者を雇用することで自分の身をもって法の力を試すことをしないよう注意喚起した。 移民局は今後もこのような犯罪に対して厳しい取り締まりを行っていく。

 

 

【記事原文:涉來港非法賣內地樓 入境處拘3女黑工 港人僱主同被捕

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この記事は、中国本土から香港で不法就労したケースの摘発に関するものですが、日本など他の国家、地域からの人物にかかわらず、香港移民局は、滞在条件に違反した事実上の就労に値する活動を行う場合、この記事のように、本人だけでなく、雇用主も重い刑事罰を受けることになります

 

そのため、香港で人材を雇用する際や就労する際の注意点を以下にご案内いたしますので、ご参照ください。

 

 

香港での人材雇用時の注意事項:

雇用前に香港身分証(IDカード)所持の確認を行う。

就労が認められている永久居民身分証保持者(居留権あり)以外の場合には、パスポートなど、トラベルドキュメントを確認し、本人が香港での就労が可能な身分であるか否かの確認が必要となります。

 

 

初めて香港で就労する場合

当然ながら雇用する会社がスポンサーとなり就労ビザ取得の上で雇用を開始させる必要があります。また、就労ビザ取得のポイントとして、個人では学歴、ビザ申請職種関連の職歴、スポンサー企業については、業種、業績などが重視されます。

 

 

香港内で転職する場合

ビザ残存期間があったとしても速やかにスポンサー変更の申請を行う必要があります。

 

ビザシールにある期限がまだ有効だっととしても、前の雇用者による移民局への雇用停止通知もしくは次の同じポジションの雇用者のビザの申請により事実上ビザが無効扱いとされている可能性があり、速やかな手続きが必要となります。

 

またビザ申請中で結果待ちの間において、就労と考えられる活動を香港で行うことはできません。

 

 

日本パスポート保持者について

90日以内は、ビザなしでの滞在が認められていますが、香港での就労(有給・無給を問わない)、事業の設立や参加、就学は条例で認められておらず、また、香港到着後に滞在資格を変更することは、極めて例外的な場合を除き認められていません。

 

Visit Visa / Entry Permit Requirements for the Hong Kong Special Administrative Region

 

 

 

短期主張、イベント参加などについて

ビザを保有していない状態で、香港へ短期出張やジュエリーショーなどのイベントへ参加する場合など、就労とみなされるかどうか判断がつきにくい活動については、移民局のFAQに記載されています。記載内容の一部を要約すると、以下の通り;

 

【できること】

〇契約の交渉、締結

〇商品の紹介、説明

〇設置に関する監督

 

【できないこと】

〇商品の梱包、販売、サービスの提供

〇展示会ブースの設営

 

 

 

 

最後に

なお、短期の活動については香港政府に有利な指定業界の活動において、関連政府部門からの招聘状による14日以内の短期の滞在、活動を認めるパイロットスキームが2022年6月よりスタートしています。その他に、高度人材受け入れスキームのスタートなど、香港ビザにまつわる制度は刻々と変化しています。

 

 

弊社では雇用者、被雇用者の情報、状況をお伺いした上でビザ取得の可能性についてコンサルティングを行った上で、ビザ申請のお手伝いをさせていただいております。香港ビザについて申請のご希望がある場合には、いつでもお気軽にお問い合わせください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本記事の目的:

本記事は、主に香港へ進出されている、またはこれから香港進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、香港での経営活動や今後の香港ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

免責事項:

  1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。

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