商務部:対外貿易経営者の届出登記の廃止【ニューズレター Vol.93】
本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として、青葉グループの広東省広州市天河区に拠点を構える弁護士事務所より作成しております。
【背景】
2022年12月30日、第13期全国人民代表大会常務委員会第38回会議で、「中華人民共和国対外貿易法」の改正に関する決定」(以下「決定」と略称)が可決され、「中華人民共和国対外貿易法」の第9条の対外貿易事業者の届出登記に関する規定が削除された。
同決定に基づき、2022年12月30日から、各地方の商務主管部門は、対外貿易事業者の届出登記の業務を停止した。
【影響】
輸出入許可証、技術輸出入契約登録証明書、関税割当枠(クオータ)、国有貿易資格などの関連書類や資格を申請する市場主体[1]に対して、関係部門は対外貿易経営者の届出登記書類の提出を要求しないこととなった。
これは、対外貿易の経営管理分野における大きな改革措置であり、中国政府が貿易の自由化と円滑化を着実に推進するための重要な制度革新でもあり、また、ビジネス環境を更に最適化し、対外貿易市場の成長潜在力を強化し、貿易発展の質及び対外開放のレベルを向上させることに役立つ。
[1] 市場主体:中国内で営利を目的とした経営を行う自然人、法人、非法人組織の総称。
【主要内容】
第13期全国人民代表大会常務委員会第38回会議で、「中華人民共和国対外貿易法」の第9条の規定:
物品の輸出入または技術の輸出入を行う対外貿易経営者は、国務院管轄の対外貿易主管部門またはその委託先の代理機関にて届出登記をしなければならない。
ただし、法律、行政法規及び国務院管轄の対外貿易主管部門により、登記不要と定められた場合は、対象外となる。
届出登記の具体的な方法は、国務院管轄の対外貿易部門より規定される。対外貿易経営者が規定に従って届出登記を行わなかった場合、税関は輸出入貨物の通関手続きを行わせないこととする。
を削除することが可決された。
「中華人民共和国対外貿易法」は、「決定」に従って改正され、条目の順番が適宜に調整された上で、再公表される予定である。
【法規リンク】
全国人民代表大会常務委員会による「中華人民共和国対外貿易法」の改正決定について
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